複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.74 )
日時: 2013/08/03 18:11
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)

010 カメルリング王国ルート


「あ、あの僕は別に暗殺者になりたいわけじゃ・・・」
「何言ってるんだルーク君。君のドアの蹴破り方といい果物ナイフを持って奇襲攻撃を仕掛ける能力といい、暗殺者になりたいとしか思えないよ」
はははっと陽気そうに笑ったミルフィーユは冗談はさておき、とリリーにもう一度言う。
「このルーク君は騎士になりたいというんだが、リリー、君は王室の暗殺者だろう?知り合いに騎士の弟子を募集しているやつはいないかね」
おぉ、まともなこと言ってくれてる、とルークは目を輝かせてミルフィーユを見上げた。
ミルフィーユの言葉に、リリーは一端黙ると、じっとルークを見た。
その猛禽類のような金色の目は、鋭い色をたたえている。
「・・・何のために騎士になるのですか?」と、ふいに彼女が口を開き、ルークに尋ねた。
「・・・この国に勝利をもたらしたいという考えならば、もっと別の手段があるのではありませんか?」ルークがこの国を勝利に導くため戦いたいと口にすると、リリーは腰に手を当てて続けた。
「この国には沢山の職業があります。騎士にこだわら無い方が、いいと思いますよ。貴族でなければ、騎士になるのは難しいですから。・・・傭兵や魔導師など、他の職業を見せるのはどうでしょうミルフィーユさん」
いつの間にかリリーは視線をルークからミルフィーユに移し、遠まわしに騎士になるのは大方無理だろうと告げる。
王室関係者が言うのだ、間違いないだろう。

「そうだな、ま、いろいろ知り合いをあたってみるつもりだよ。ありがとうリリー」
ミルフィーユがしょぼくれたルークの肩に手を置きながら、彼女に言うと、リリーは少し微笑みながらルークに言った。
「いえ。ルーク君、私に何か役に立てることがあったら、ここを訪ねてくるといいよ。騎士に知り合いはいないけれど、少しは役に立てるだろうから」
「・・・ありがとうございます、リリーさん」
ルークがお礼を言うと、リリーは爆弾を片手に階段を上がって見えなくなった。
「それじゃ失礼しますよ」と口ぞえて、宿屋に爆弾が持ち込まれたことに唖然としている経営者に別れを告げ、発明家家族は宿を出た。