複雑・ファジー小説

Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.91 )
日時: 2013/08/04 19:17
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)

009 ミカイロウィッチ帝国ルート


「・・・・・・」
エディは現在舞踏会会場から連れ出されていた。
なんだか物騒なところへ連れて行かれている気がする。螺旋状の暗く湿った石造りの階段をどんどん下り、エディはこの先に拷問部屋が無いことを願う。
エディを前後に挟んで一緒に歩いているのは、先ほどのバンダナ青少年とゴスロリ少女だった。
黙々と歩いているので、どこへ行くのか尋ねる気も起きない。
と、前方で蜀台を持ったバンダナ青少年が口を開いた。「おまえ、家族はいるのか?」
突然何を聞かれるのかと思ったら、家族構成とは・・・拍子抜けしてエディは数秒口を開くのが遅れた。
「・・・じゃ、名前は?」答えるのがイヤだという拒否にとらえられたようで、バンダナ青少年は別の質問に変えた。
「名前は、エドウィン・シュナイテッターです・・・家族は、父さんだけ」
そんなこと聞いてどうするんだ、とエディが訝しがっていると、今度は背後で声が上がる。あのゴスロリ少女だろう。
「あら、それじゃお父さんこれから一人で家にいなくちゃいけなくなるわね!可愛そうに・・・っと、急に止まらないでよ、危ないじゃない」
エディが急に立ち止まったことで、ゴスロリ少女が幼い声で怒る。だが謝る前に、エディはとっさに振り返った。
蜀台を片手に、ピンクの杖を持った手で壁に触れている幼女が見えた。ぼうっと照らし出されたその髪は金色で、一房だけ三つ編みになっている。ゴシックロリータが似合うその少女の瞳は、ルビーのように赤かった。

「どういうこと、ですか・・・?父がどうしてこれから一人暮らししないと行けないんですか?」
異変を感じ取ったのだろう、バンダナ青少年がこちらを仰ぎ見た。
「どうしてって・・・あなたがもう帰れないからだよ」微笑んだ幼女はさりげなく上に続く階段への通路をふさぐように、仁王立ちになった。
エディは視線をバンダナ青少年のほうへ向ける。いざとなったら彼を蹴り落として逃げるつもりだった。幼女につかみかかっている間にバンダナに捕まるよりは、バンダナを蹴り落とし、幼女に攻撃した方が多分逃げられる。
「おい、何してるんだ?大人しくついて来いエドウィン・・・って!?」
バンダナ青少年が声をかけた途端、今だとエディは彼を蹴り落とそうと飛ぶが、バンダナ青少年はするりと身をかわす。
「えぇ?」空振りしたエディはそのまま階段に着地することができず、腰から階段に激突し、犬死に終わった。
上から犬死したエディを眺め、バンダナ青少年が目をしばたきながら口を開いた。
「・・・コイツ何のために階段にダイブしたんだ?飛び降り自殺?」
「さぁ?どうせならアンタを階段から蹴り落としてくれたら良かったんだけど」
まさにソレをしようとしていたのだが、エディの見事すぎる空振りのせいで二人に理解されなかったらしい。
腰を強打した為立てないエディは、結局引きずられて連れて行かれる羽目になった。