複雑・ファジー小説
- Re: さぁ 正義はどっち ?【第2回オリキャラ募集】 ( No.93 )
- 日時: 2013/08/04 20:11
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: TM72TTmK)
010 ミカイロウィッチ帝国ルート
「うそ・・・」
引きずられて到着した部屋を目の当たりにしたエディは、絶望の声を上げる。腰を強打したせいで立てないのに、まさか最悪の場所につれてこられるとは!
石の壁にぐるりと囲まれたこの地下室は、壁に拷問器具がすえつけられている完璧な拷問部屋だった。
「たった一本・・・外しただけなのに・・・むしろ私のせいじゃないのに・・・」
絶望と恐怖で固まるエディを抱えあげて部屋中央の木のテーブルに座らせたバンダナ青少年は、壁に掛かった紐を引いた。
乾いた鈴の音がして、何かを待っている素振りをする。
何がはじまるかまったくわからないが逃げられないエディは、辺りを見回した。
部屋の広さは人が三十人ほど入ったら息苦しいほどの広さだ。この陰気な部屋に場違いな真っ白の肘掛け椅子に、先ほどのゴスロリ少女が座っている。
その他には人気が無く、物騒な実験道具や最近まで使われていただろう黒いシミのついた束縛器具が置いてある。残念ながら彼らに対抗できそうな武器は見当たらない。
「何か用?」突然壁だったところが開き、隠し扉から白衣の男が出てきた。引きずるように長い白衣と、紫よりの黒い髪の男は、エディに気付いてこちらを見た。
「!」その瞬間驚いて固まるエディ。その白衣少年の瞳が、左右色違いだったからだ。
右目がヒョウのように黄色いのに対して、左目は真っ青な海を彷彿とさせる。そんな白衣少年に続いて隠し扉を潜り抜けてきたのは少女と青年。
どちらも容姿が似ているため、兄妹なのだろう。
兄の方は翡翠色、妹の方は若草色の髪を白いリボンで束ねおり、同じようなデザインの民族衣装を着用していた。
「こ、殺さないで・・・!」
興味津々といった感じでエディを眺めるその三人に、あからさまな拒否反応を見せて逃れようとするエディだったが、腰の打撃で動けない。
「殺しはしないわよ、ただお父さんのところに帰れないだけよ」
ゴスロリ少女が肘掛け椅子から立ち上がり、エディの乗るテーブルに近づく。
拷問部屋にいるだけで、名前もわからないこの5人は恐ろしく感じられる。
「じゃ、じゃあ拷問する気・・・?!」
エディが追い詰められたネズミのように、最後の勇気を振り絞って強気に言うと、白衣少年がにやりと笑った。
「ククク、まぁボクの場合拷問というより人体実験?」
「おい、ツヴァイ、違うだろ」ツヴァイと呼ばれた白衣少年に否定の言葉を浴びせかけたのはバンダナ青少年。
皆が注目する中、バンダナ青少年は続けた。
「エドウィンは実験体じゃなくて、今日から俺達の仲間になる弓兵だ」