複雑・ファジー小説

Re: 星憑のエルヒューガ ( No.25 )
日時: 2015/08/01 22:41
名前: 夕暮れメランコリー (ID: 5dLFZzqu)

「んで、そのあんた————ヨダカだっけ?は何の星座と契約してるの?」
「え、ええっと、それは」
 どうしよう、僕自身もまだあまり受け入れられていない事実を問いただされた。今言うのもあれだけどもうちょっと格好いい星座と契約したかった。オリオン座とか。ああでもそうなるとホモイさんと対立することになるか。星座的に。
「あーこいつの契約星座!?聞いて驚け男でこんな気弱で到底『自分が一番綺麗』とか言いそうにもないくせにカシオペア座だ!」
 うじうじ僕が悩んでいるとシグナレスがホモイの問いに答えた。答えてしまった。正直僕はもう穴があったら入りたい気分だ。シグナルさんが申し訳なさそうな、僕の心中を察したような微妙な顔をしてこっちを見てきた。
「か、カシオペアぁ!?」
 なんだかぎょっとしたような顔をしてホモイが僕を見る。やっぱり男がカシオペア座って相当な違和感でもあるのだろうか。カシオペア自体の伝承と僕の性格の食い違いという面もあるのだろうが。
「カシオペアって、あのカシオペア?Wの形してるアレ?」
「まあ、そうなります、かね?」
 それ以外のカシオペア座ってむしろあるのか、と思ったけれど黙っておいた。僕だって疑問符で返しちゃったわけだし。
「……どうしたホモイ。そんな考え込んで。いつものお前なら「まあいいかそれよりシグナレス倒す」みたいな感じだったじゃないか」
「シグナルあんたも大概酷いわよね」
 ホモイは「シグナレスよりはいいけど」と付け加えてから僕に向き直った。


「ヨダカ、あんた今度私の任務に付いてきて。期待の大型新人の実力も推し量りたいし」


 世界が固まった気がした。