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複雑・ファジー小説
- 第四章『始動』 ( No.15 )
- 日時: 2013/12/19 07:19
- 名前: シイナ (ID: zMzpDovM)
【1】
▽▲▽▲▽▲▽▲
会えない時間ほど、充実しているものはない。
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「みぃーつけた!!私様ってばさいっこーについてるぅー!!」
そう言いながら現れたのは、あのとき柏葉を追っていた青年だった。
「境会、僕は彼を連れていく」
「お願い」
がしりと俺の腕を掴んで亜季は走りだし、やって来た青年から離れだした。
「な、おい!!柏葉は!?」
「今はあんたを守る方が先だったりとか!!とにかく走って!!」
ちらりと柏葉を見れば、彼女も「走れ!!」と叫んだ。
「おいおい、僕ボク様がそう簡単に行かせるわけねーじゃん!!」
にたりと青年の口が歪む。かと思えば、彼は一瞬でこちらまで跳んできて、
「【影縫い】」
ピタリと、その体が停止する。先程まで浮かんでいた笑みが消え、憎悪の思念が顔に浮かぶ。
「っくそ!!」
「行くよ」
「はあ!?おい!!説明しろよ!!」
「あとで!!」
ぐい、と腕を引っ張られて走りだす。青年の横を駆け抜け、家から飛び出て、わけもわからず走っていく。
振り返った一瞬に見えたのは赤いランドセルだった。
……って、ランドセル?
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