複雑・ファジー小説

*prologue* ( No.2 )
日時: 2013/12/21 17:44
名前: nami (ID: hap96gvm)

 蛍光灯の青白い部屋で、女はパソコンに向かい、正面で男が足を組んで即席カップラーメンを食っていた。

「なんかみなさん来なくて寂しいですね」
 赤いメガネをかけた女が呟くように言った。

「もうすぐ来るんじゃないか? 煩いのが」
 向かい側の制服姿の青年が答えると、
「あ、本当みたいですね」
 クスクス笑いながら女が返す。

 ドタドタと子供のような無邪気な足音が外から聞こえてきたからだ。
 男が顔を顰めて溜め息を吐く。

 同時に電話が鳴った。
「……もしもし」
 女が受話器を取る。

 その時ドアがバタンと開いた。
 背も顔だちもまだ幼い、何故か大仰な長い剣を持った小さい女の子。
「よーっす! 今日ね、学校でドッジボールした! あと、コウゴウセイの実験もした! …………」

「——————うるせぇ電話中だ一旦黙っとけ!!」
 男が怒鳴りつけると、女の子は口を閉じて静かになり、男に向かって舌を出す。


 女は苦笑しつつ受話器を持ち直す。
「お騒がせして大変失礼。
 こちらは————



 “special警察秘密部隊”。ご用件を」