複雑・ファジー小説
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.1 )
- 日時: 2014/02/25 18:16
- 名前: 将軍 (ID: RwTi/h2m)
プロローグ
今受けている授業は世界の歴史だ
昔、と言っても十数年ぐらい前、のちに【大戦】と呼ばれる戦争があった。
突然中央アジアを襲った謎の生命体が中央アジアの国々を滅ぼしにかかった。
当初は人類側の武器でも優勢に戦え、制圧出来ると思われたが、人類側の武器が次第に効かなくなっていくとその数と圧倒的な力で次々と国を崩壊させていったらしい
何で疑問形かって? それはその時の記録が殆んどないからさ、戦争を体験した人はかなり存命していて、その人たちの口から話は聞けるが、公式な記録には殆んど記されていない。
記録がないのはその当時に記憶媒体なんてものにお金と資源をかけるほどの余裕が何処の国にもなかったからだ。
話を戻そう、
人類側は悪性霊体と名付け、国連軍を糾合し、悪性霊体の中央アジア封じ込め作戦を実行するも善戦虚しく一年と半年で戦線が崩壊
国連軍はこの時に崩壊し、各国は独自に同盟などを結び、防衛に当たった。
欧州はEU軍を編成し、ルーマニア、ベラルーシ、ラトビア、エストニアのロシア側の国境を要塞化し、防衛ラインの東欧要塞を構築。
最終防衛ラインには放棄されていたマジノラインを再構築した新マジノラインを構築
中国は中央アジアの生き残った国々を糾合し、大中華連合を結成し、防衛に当たった。
アフリカはAUの元国々を統一し、防衛に当たった。
アメリカは南アメリカと共同で対処に当たった。
日本はロシア、大中華連合、東南アジア諸国と同盟を結び、対処に当たった。
ロシアは首都モスクワを放棄、ウラジオストクに臨時首都を置いた。
悪性霊体との全面戦争が3年目に突入すると、EU軍の防衛ラインである東欧要塞を突破され、ドイツにまで進撃を許し、新マジノラインで防衛線を張った。
ロシアもヨーロッパ側に持っていた国土を失った。
AUは7割以上を制圧されていた。
アメリカと南アメリカでは西海岸側が制圧されたが、それ以外はなんとか持ちこたえていた。
東アジアでは中国は新疆ウイグル自治区などを押さえられ、東南アジア諸国も壊滅の危機に瀕し、日本も九州、四国、中国地方が陥落。兵庫防衛圏で死守
オーストラリアは鉱山を使い、何とか東海岸侵攻を凌いでいた。
全面戦争から3年と半年が過ぎ、誰もが絶望し始めたころ
日本が霊魔技巧を発明。術式武装の開発と量産に成功する。
術式武装を用いて中国地方、四国奪還に成功する。
日本は既製の術式武装の無料配布を実施。
世界各国で悪性霊体に対する大反抗作戦が展開された。
術式武装の普及から2年後のEU軍による「戦姫の咆哮」作戦によって悪性霊体は殲滅された。
そして今の平和な世がある
と、まぁ、親から耳にたこができるほど聞かされてきた話をちょっと難しくした授業だ。
今___2036年では昔に比べて地図がだいぶ変わってしまった。
中国は周辺諸国を吸収し、大中華連合 通称 大中連を形成
東南アジア諸国は連邦制の東南アジア諸国連邦を形成
ロシアは内戦の結果、共産主義運動勝利により新ソビエト社会主義共和国連邦 通称 新ソ連を形成
アメリカは大陸統一を果たし アメリカ合衆国連邦を形成
ヨーロッパではイギリス、ドイツ、イタリア、フランスを除く国家が軒並み分裂し、EU参加国とそれ以外の国に分かれた
中東とアフリカは、アフリカは新AUの元 一つに統一され、中東は国家という国家はなくなり、コミュニティが国家の代わりになっていた。
そして俺の住む日本は大戦の際に自衛隊が廃止され、国防軍を再編し、ヨーロッパに数個の衛星国を持つ以外はたいして変わってはいない。これからも変わることはないだろう
この時の俺はそう思っていた。