複雑・ファジー小説
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.6 )
- 日時: 2014/02/25 18:28
- 名前: 将軍 (ID: RwTi/h2m)
第四話
「地下シェルターと学校の間にこんな空間があったなんてな」
道の突き当たりにあった部屋に逃げ込み、一息ついた。
「この部屋の魔障壁はすごい強度だし、ちょっとの間は大丈夫そうだね」
雪はポケットから一枚のお札を出した。
「西方の守護神たる四神の白虎、我の命に応えよ!」
自分の親指を噛んで血を出し、お札になすり付けた
「なんだ我が主よ。のろけ話なら聞かぬぞ」
「……お前いつも白虎になに話してんだよ」
「いつもじゃないよ! たまにだよ」
「では何の用だ?」
「悪性霊体がここに来るから、シロはそれの迎撃」
「ほぉ、そのようなまともな呼び出しは久方ぶりだな」
白虎___シロは目を光らせ、強敵との戦いを待ちわびるように震えていた。
「でも、ここは何の施設なんだ? ん、隠し扉か」
一条は部屋の中を探索しているとさらに別の部屋に通じているであろう隠し扉を見つけた。
「これは……」
隠し扉の先の部屋で見つけたものは一振の刀だった。
その刀は色々な管で繋がれており、封印しているように見える
「お兄ちゃんどうしたの?」
隠し扉から雪が顔を出してこっちを覗き込んだ。
「雪、これ見てみろよ」
「これ、すごい魔素放ってる。これはたぶん新魔武装。お兄ちゃんは触ってもいいけど絶対使っちゃ駄目だよ。適格者じゃないんだから」
雪は一条に厳しい視線を浴びせた。
それもそのはず新魔武装は適格者の中でも選ばれたごく一部の者しか扱うことが出来ない
「分かってるよ」
苦笑を浮かべながら返事をした
「ならいいけど」
雪をまだ納得し切れていない様子だが一応了承した。
隣の部屋から大きな衝突音が聞こえてきた。
「主よ。そろそろ破られそうだ」
シロの声が響いてきた
「分かった。お兄ちゃんはここに居て」
「お前が行くなら俺も」
「剣術じゃお兄ちゃんは強いけど、でも今のお兄ちゃんは足手まといだから。大丈夫だよ、すぐに戻るよ」
笑顔を見せると部屋を出て、外から閉めた。
「……くそっ! 大切な時に俺は、無力だ」
拳を壁に叩きつけた。
「お兄ちゃん、ありがと」
部屋を出た後小さい声で呟いた。
「シロ、勝てる?」
「無論、と言いたいが厳しいかもしれんな」
魔障壁の入り口は軋み始め、もうすぐ破られるだろう
「でも勝たなきゃ死んじゃうし、私はお兄ちゃんと結婚するまで死ねないし」
「欲望に忠実だな。我が主は」
フッと笑うとシロは表情を引き締め
「さて、久方ぶりに暴れるか」
「うん、思う存分暴れて」
魔障壁の入り口を破られ、悪性霊体が乗り込んできた