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複雑・ファジー小説
- Re: Lost colors ( No.2 )
- 日時: 2014/01/06 17:08
- 名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)
———ピピピピピ……バシンッ!
「あ?もう朝か」
毎朝目覚まし時計を乱暴に止めてしまうのは俺の癖。
その目覚まし時計も元々鮮やかな水色だったのだが、これですらくすんだ灰色になっている。
俺は別段朝に弱い訳ではないが、やはり眠い中で起こされると少しイライラしてしまう。
故に、このような止め方をしてしまうのだ。あーっ、また沸点低いっていわれるだろうな。
「お兄ちゃん目覚まし時計が可哀想だよー!」
俺の隣で寝ていたのは妹の美由紀(みゆき)
何故俺の隣で寝ているのか?それは俺も知らん。朝になったら隣にいた、それだけのことだ。
まあそれはさておき、コイツは立派に中3の癖しておきながら未だ幼児っぽさが抜けない阿呆である。
まあ良く言えば幼さを残す典型的で可愛らしい妹。悪く言えば天然なだけの餓鬼。
「ほらー、目覚まし時計さん痛いって言ってるよー?」
お前本当に中3なのか?これもいつまで経っても解消されない疑問だ。
何故俺が鮮明に色を覚えているのか。それもかなりの謎なのだが、こいつの阿呆さ加減も中々謎である。
だから俺は超現実的な返事を返す。
「目覚まし時計に口なんかついてねぇだろ」
夢も希望も何にも無い。それは友達からもよく言われることだが、下手な夢を見たり妄想してるよりは、現実を捉えた方が結果的に良い方に動く。それは周知の事実であり、赤ん坊以外なら誰でも理解できるだろう。
だがコイツの場合は———
「よしよし、いたいのいたいのとんでけー」
もう、考えていることがよく分からん。
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