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複雑・ファジー小説
- Re: Lost colors ( No.3 )
- 日時: 2014/01/10 19:00
- 名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)
ビーーーーッ!!
「あ」
登校中でもう二回目。またしても事故だ。
俺はここ最近———世界から色が消えてから事故現場に会うことが多い。
特にこのあたりは住宅街だし田舎だし、住人の気が抜けやすいと言うこともあるな。
それもこれも、あの白黒の信号の所為なのだろう。
「おーっす!河上!」
———誰だ。
振り返ったら、クラスメイトの『千影優奈』『大蔵健太郎』『草薙風香』の三人がやってくるのが見えた。
先陣きって走ってくるのは千影優奈。あいつはいつも元気があり、行動力もあるので学級委員を取り仕切っている。
昔その髪は緋色だったのだが、今になっては灰色になっている。
その横をまるで競うように走ってくるのが大蔵健太郎。ヤツは生徒会の副会長を務めてるとか。
アイツの自慢だった鞄のアクセサリーも、今になっては黒と白の人形なだけだ。
その後ろからのんびり歩いてくるのが草薙風香。あいつは騒音を嫌うようで、いつもヘッドホンで音楽を聴いている。
無口無表情なヤツは何を考えているのか分からない。妹も相当だが、こいつも違う意味で分からない。
「いやー、今日も派手にやってるね」
「やりたくてやったんじゃないだろ」
千影の言う「派手」
それは事故の事だろう。
その事故現場を俺たち三人がボンヤリ眺めていると、草薙が追いついてきた。
「風香ちゃん、また事故だよ」
「……そう」
千影の問いにも草薙は素っ気無い返事で返す。
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