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複雑・ファジー小説
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護 ( No.112 )
- 日時: 2014/02/10 21:55
- 名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)
「なるほど、そういうことだったのか」
黎明からそんな話を聞かされたシグナは、溜息をついて腕を組んだ。
皆にはわからなかったが、今の彼はとても怯えている。やはり女性とは恐ろしいものだ。そう思いながら。
とりあえず平静を保てた彼は、出発しようとグレムリン地方に広がる広大なジャングルへと歩みを進め始めた。
(フフッ、昨晩の話、まだ実は続きがあるんだけどね)
そしてその道中、黎明は一人で思い出していた。
+ + + +
リュイの悲鳴を他所に、その後黎明はシュラーを大人しく部屋に戻るように促した。
そして彼はそのまま、念のためにいなくなっていたシグナを探しに宿の中を歩き回り始める。
だが、一向に見つかる気配がない。
諦めかけたときには既に、ロビー、各フロアの廊下に男子トイレ、食堂、風呂など全て回っていた。
因みに風呂の破壊された仕切りは、もう既に完璧に直っていた。予備を持ってきたのだろう。
そしてもう部屋に戻ろうかと考え出した頃、黎明は二回のロビーのベランダに出ていた。
そしてふと、何の気なしに彼は視線を下へと落とす。すると二つの人影が見えた。
よく見てみると、その人影はシグナとマルタであった。会話内容からしても、何やらいい雰囲気だと分かる。
そして暫くした後の口付けを目撃。
(フフッ、ごちそうさま)
黎明はその光景に微笑むと、その場を後にした。
+ + + +
道中、そんなことを思い出した黎明は心の中で笑っていた。
だがあの場の目撃者がいたなど、少なくともこの一向は知る由もなかったことだろう。
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