複雑・ファジー小説

Re: 世界樹の焔とアルカナの加護【お知らせ更新!】 ( No.128 )
日時: 2014/02/15 13:57
名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)

〜学園生活編〜


—特別授業は論争で—


「やっぱり猫だよ〜っ。大人しいところ可愛いし!」
「わた……ボクもネコがいいな〜」
「いや、犬の方がいいだろう」
「躾けるのが楽しいからな。それに躾ければ、その後は便利に活躍してくれるぜ?」

 特別授業にて。
ディが催したそれは自由参加型となっており、内容は犬派か猫派かの物議をかますものとなっている。
数十人が単位を取りたいとこの授業に参加していたが、特に単位目的でないとある四人が非常に目立っていた。
会場となる放課後の講堂。そこに響く、その四人の声。

 その声の持ち主は飛沫、アルバーン、カイザー、シグナである。

 犬派か猫派か。その意見をしっかりと持っているそんな四人は、周囲の視線を集めていた。
ちゃんと物議が出来ているので他の模範となっている故なのか、ただ単にそこだけ喧しいだけなのか。
きっと両方だ。ディはそんな見解を頭の中で思いながら彼らを見ていた。

「絶対猫のほうがいい!散歩とかもないし!」
「いいや、犬だな。猫ほど我侭じゃないだろ?」

 現在は、中でも飛沫とシグナの論争が目立っている。
最初はみんなで物議をしていたはずなのが、いつしかその四人の論破だけとなり、最終的には何故かシグナと飛沫が、舌戦と間違われそうなほどの激しい論破をし合っている。
果たしてこれはいいことなのか悪いことなのか。
その結論はカイザーたちは愚か、ディでさえ導き出せないようだ。

 故に二人の論争が目立つようになると、周囲の者たちはただ見ていることしか出来なかった———


  + + + +


「———なんてことがあったんだって〜」
「へぇ〜、飛沫ちゃんもシグナ君も、ある意味凄いんだね!」

 先日のそんな出来事を、写真部所属の女子部員が噂していた。

 因みにこの時は話題に出なかったが、論争の結果はちゃんと時間内についたとのこと。
"鳥派"という全く違う意見を持ったフェルとマルタの乱入により、完全中立のその鳥派に結果は落ち着いた。
と、この噂をしていた張本人が後に語っている。