複雑・ファジー小説

Re: 世界樹の焔とアルカナの加護【オリキャラ募集開始!】 ( No.14 )
日時: 2013/12/30 13:39
名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)

「っ!」
「何だ、これ……」

 ユグドラシル遺跡の入り口前にたどり着いたシグナと葬送丸。
 二人は入り口を見るなり吃驚し、そして絶句してしまった。
 その遺跡の入り口付近には初見の紫色の植物が生えていて、その蔓が入り口に纏わり付き、遺跡内へ続いている。
 しかも遺跡の奥からは何やら禍々しいオーラが放たれており、如何にもアルカナがありそうな雰囲気である。

 二人は互いにアイコンタクトを取り、恐る恐る足を踏み入れる。
 だが———

「なっ!?」
「うわぁ何なんだこれ!」

 突然その紫色の植物の蔓が食虫植物の様に動き、遺跡へ踏み入った二人の足を絡め取った。
 思わず転倒した葬送丸。咄嗟に鎌で植物を切り裂くも、次から次へと伸びて来て限が無い。
 シグナは炎の魔法を唱え、周囲を焼き払った。つもりが、焼けるどころか活気すら付いたようにも思える。

「こりゃーまずいねぇシグナ?」
「暢気な事言ってる場合か!本当にどうするんだよ!」

 ピンチ。今の二人にはその言葉がピッタリなことだろう。
 動けなくなったら挙句、そのまま死んでいくに違いない。
 そして———

「あーもー、全身動けねぇ」
「あーもー、俺もだ」

 若干自棄になっている二人は、数秒で完全に動きを封じられた。
 さて、これからどうするか。そうシグナが考え出したときだ。

「おいシグナ!これ!」

 葬送丸が慌てた様子で、自分の腕を絡めているその植物を顎で指す。
 見れば、如何にも危なっかしそうな黄色の液体がそれより染み出ていた。

「やばい。マジでやばい。毒だったら冗談抜きに死ぬぞ。どうしようか」

 世の中には、触れただけで毒性を示す強力な毒素がある。
 もしこの見るからに危険な液体が毒なら、皮膚が焼けるか溶けていくか、最悪死亡する可能性だってある。
 葬送丸が言うことも最もだった。

(チッ、しょうがないな……なら、あれを使うしかない)

 シグナは目を閉じる。

「うん?シグナ?」

 葬送丸が急に大人しくなった彼を気にかける中、シグナは気付いていた、もう一つの刻印の力を渋々引き出すことにした。
 一つ目の力のテレポートが完全にマスターできたのに対し、二つ目の刻印の力は、まだシグナが扱うには早すぎる。
 だが、苦渋の決断を余儀なくされるこの状況。世界樹も止めなかった。

 数多刻印に宿る力のうちの、2つ目とされる力。それは、神格化である。