複雑・ファジー小説
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護【オリキャラ募集開始!】 ( No.19 )
- 日時: 2013/12/30 17:13
- 名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)
「はぁっ!」
「のあっ!?」
突然のシグナによる一喝。
同時に焔の刻印が彼の胸の前に現れ出で、その奇妙な植物を葬送丸ごと吹き飛ばした。
何とか受身を取れたものの、彼は自分を吹き飛ばしたシグナを見、途端にその場に硬直する。
神格化———それは、古代文明以前の時代に生きた神々の力を呼び出すことができる力。
世界樹軒奥にある神々ならば、その何れも対象として呼び出し、力を借りることが出来る。
その際はシグナの瞳の色とそれに映る紋章で、どのような神が彼に乗り移っているかを見極めることが出来る。
現在の彼の目は灰色。倭の国の神『ヤダガラス』が乗り移っている。
ヤダガラスはその神気で格下の生物の気を振れさせたと言い伝えられており、故に葬送丸は彼を見て動けないでいた。
意思を持っているのか、その植物も自然と彼には近付けないでいた。シグナはその隙を突く。
エクスカリバーを抜刀し、その植物を尽く切り刻んだ。果てには根からそれを引き抜き、さらに切り刻み始める。
こうして彼は、二度とこの植物が動くことのないようにしているのだ。
そしてやがて紫色の汁だけが残ると、彼はようやく納刀した。同時に神の気配も消える。
「おーい、大丈夫なのか?」
「あぁ、どうやら平気だったらしい」
人が変わったように暴れだしたシグナを心配する葬送丸。
シグナも体の方には何の負担も無かったようで、これで晴れて二つ目の力を体得することができたようだ。
『フッ、よくやったなシグナ』
「あぁ」
世界樹も予想外の出来事に感嘆しつつ、この者ならば必ずやアルカナを取り戻せると思うのだった。
+ + + +
その後二人は、改めてユグドラシル遺跡へ足を踏み入れていた。
遺跡とはいうが、ここは壁や天井がそのまま岩肌がむき出しになったようになっており、どちらかといえば洞窟に近い。
さらには、ユグドラシルの魂が祭られている遺跡の上の巨木。その太い根が遺跡内に入り込んでおり、軽く迷路を形成している。二人が先へ進むのに少し困ってしまうほどだ。
「全く、本当にココ遺跡か?」
「授業で習った限りでは、ここは間違いなくユグドラシル遺跡だ」
「よく勉強してるねぇ〜。流石は流星学園か」
最早木の根なのか分からないほど大きな木の根を、何とかよじ登っていく。
そうしてたどり着いた最深部であろう場所。
そこにあったのは———