複雑・ファジー小説
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護【オリキャラ募集開始!】 ( No.21 )
- 日時: 2013/12/30 17:58
- 名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)
「あ、あれじゃねぇの?お前が探してるやつ」
「いや、あれは……」
葬送丸が鎌で指し示している、その行き止まりにあったのはアルカナと瓜二つの宝珠。
アルカナは本来赤色をしているのだが、それは真っ黒に染まっている。
それに宝珠が砕け散り、力だけが飛散したはずである。だがこの宝珠は原形をとどめている。
(これは……アルカナ……と呼んでいいのか?)
いいや、違う。そう、焔の刻印が告げていた。ではあれは一体なんなのか?
そうシグナが疑問に思いかけたとき、目前の宝珠は黒と紫が混ざったような光を放ち始めた。
二人が首を傾げる中、それは段々と強い発光へと変わってゆく。
———バリィィン!
やがてそれは、派手な音を上げて砕け散る。
同時に目が眩むほどの強力は光が放たれた。
「!?」
「な、何だぁ?」
その強烈な光から目を保護する二人。
光が収まった頃、その宝珠があったところには巨大な蜘蛛が居座っていた。
その蜘蛛は軽く人を飲み込めるほどの大きさがある。
「チッ、また化け物か!」
「今回ばかりはゴーレムの時みたいに上手くいかないかもしれないなー」
シグナは唾を吐き、エクスカリバーを抜刀した。葬送丸もその大鎌を蜘蛛に向ける。
途端、不意打ちとでも言わんばかりに蜘蛛は奇声をあげ、襲い掛かってきた。
しかも、動きが素早い。
「中々素早いじゃねぇかデブの分際でよ〜」
「のんびりコメントしてる場合じゃねぇだろ葬送丸!」
そう、のんびりしている暇はない。
この蜘蛛は足がかなり長い上、吐き出す糸もかなり強靭かと思われる。
一瞬の油断が命取りだ。
「はぁ、一々疲れるなぁ……」
シグナはブツブツと何か言いながら、襲ってくる蜘蛛の足を斬りあげにて切り裂いた。
いとも容易く切り裂け、その蜘蛛は一本の足の第一関節から先を失う。
「あれ?もろいねぇ」
エクスカリバーだからか。
そう思っていた葬送丸だが、彼の鎌でも十分に剣戟は通じるらしい。
証左に、彼は二本ほど蜘蛛の足を切断している。
これなら勝てる!そう思ったシグナは甘かった。
「むっ?」
蜘蛛はいつの間にか、切られた足を再生させていたらしい。
「自己修復機能高すぎんだろコイツ!」
斬っても斬っても再生を繰り返す蜘蛛に、二人は防戦一方となる。
そんな中、焔の刻印が強大な魔力を解き放ち始めていた。