複雑・ファジー小説

Re: 世界樹の焔とアルカナの加護【オリキャラ求むッ】 ( No.66 )
日時: 2014/01/05 10:33
名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)

 ———ドカーン!


 遠くで、それでいてそう離れていない位置よりの爆発音。
 シグナは全員の目を見て一つ頷くと、音の発生源へ移動しようとした。
 だが———


 ———ドカーン!


「うわ!?」

 突然、彼らの目の前で大爆発が起きる。
 シグナの動体視力が間違っていなければ、その爆発の原因は爆弾によるものだった。

「ちょ、ちょっと何なのよーもーっ!」
「……私に聞かないで」

 シグナはエクスカリバーを抜刀する。それを機に、マルタもティアも自分の得物を手に取った。
 マルタの武器は魔法杖、ティアの武器は魔法拳銃。そしてアナスターシャも光から現れた何かを手にしたようだが———

「それは、羽ペンか?」

 シグナの問いに何も言わずに頷いたアナスターシャ。これが彼女の得物だという。

「ペンは剣よりも強いって言いますよね?」
「そ、そういう問題か?」

 まさかその非常に脆そうな羽ペンで物理的な攻撃を繰り出すのか。
 また一つ不安が募ったシグナだったがそれは杞憂だったようだ。


 ———ドスンッ!


「うわ!?」

 一行の前に突如現れた巨大な影。
 見上げるほど巨大なそれは、人型有人兵器———言わば人が乗って操る人の形をした兵器である。
 もっと分かりやすく言えば、巨大なロボットだ。

「こ、コイツ……」

 マルタは思わず一歩引く。
 シグナもエクスカリバーの力を引き出せばこの程度造作も無いのだが、刻印と本能が斬り込みを拒否していた。
 すると———

「おい、ターシャ?」

 アナスターシャは羽ペンで、空中に何かを描くようにペンを動かす。
 するとその白い羽ペンが発光し、その描いた軌跡が留まる。数秒後、小さな魔方陣が浮かび上がる。

『悪いなァ。お前らに恨みは無いが、此処で消えてもらうぜ』

 その兵器より聞こえてきた声。中に搭乗している人物の声だろう。
 シグナたちが気を取り直して身構える中、アナスターシャは魔方陣を完成させた。
 その完成した瞬間———

「おっと」
『うわあああぁぁぁああ!?』

 巨大かつ強力な上昇気流が、目前の兵器を襲った。
 その際気流の内部では無数の鎌鼬が発生しているらしく、装甲が一部削れたり外れたりという現象が起きている。

「やっ」

 ティアもそれに便乗して、何やら魔法を唱える。
 すると今度はアナスターシャのそれとは違い、下降気流が兵器を襲った。

「えいっ」

 マルタも何やら魔法を唱える。
 また風の魔法か、そう思ったシグナだが、彼女は風魔法が使えないことをすぐに思い出した。
 では一体何をするんだ。そう彼が思っていると、兵器の周りに突如6つの白く光る槍が召喚された。
 それは六角形を模るように召喚されており、やがて複雑な円形の魔方陣が描かれる。
 と同時に、その魔方陣より白い光が上昇しつつ兵器を襲った。

 マルタ得意の光属性の攻撃———フォトンランスゾーンである。

「はっ」

 ここまで来たら自分も何か魔法を唱えてみようか。
 そう思ったシグナは『へヴィ・グラビティ』を唱えた。
 それは重力の法則を捻じ曲げ、敵に四方八方から圧力をかけることが出来る魔法。
 因みに彼がユグドラシル遺跡で、小さな蜘蛛の大群の動きを封じたのもこの魔法である。

 一方で兵器は様々な方向より攻撃を加えられ、機能不全に陥っていた。