複雑・ファジー小説

Re: 世界樹の焔とアルカナの加護【お知らせ更新】 ( No.71 )
日時: 2014/01/06 19:32
名前: キコリ (ID: gOBbXtG8)

 一方その頃———

「覚醒……遂にこの時が来たか」

 何処ともいえぬ場所で、一人の男が不敵な笑みを浮かべていた。
 その巨大な鏡のような水晶玉を前に笑うその男。彼は———

「葬送丸、どう?」

 漆黒の太刀を背に携え、黒いコートに身を包む男が彼———葬送丸に近付いた。

「あぁ、黎明か」

 黎明と呼ばれたその男はフードを取らないまま、巨大な水晶を覗き込む。
 その水晶に映っているのは———

「シグナは無謀にもアルカナ繰り出したぜ。ホント、マジ笑えるわ」
「まあそうでなくても、目黒君が始末してくれるとは思うよ」
「まあな。ゼルフたちも直に、あいつらを潰しにいくだろ。そして———」

 水晶に映る神々しい気を放つシグナを見、葬送丸は鎌を手に取る。

「俺が、世界を創りかえるんだ。世界樹にも言われたことだしな」

 そして、闇の刻印が現れる。
 彼の額に浮かんだそれは、焔の刻印と似て非なるものであった。
 闇そのものを具現化したような、そんな闇の刻印は焔の刻印と同じ形をしており、禍々しい気さえも放っている。

「———覚醒者は俺だ」