複雑・ファジー小説

Re: 学園マーシャルアーティスト ( No.8 )
日時: 2017/12/10 16:47
名前: 大関 ◆fd.I9FACIE (ID: 9ihy0/Vy)

翌日の昼休み。屋上に数人の人影が集まっていた。その内の一人は重蔵であり、両隣にいるのは恐らく舎弟であろう。
そしてその他の影の正体は、高山を筆頭にした集団であった。

「お願いです!もう俺たちじゃあいつの暴走を止められないんです!」
「……ほな、そいつを止めてほしいってことか……」

高山達は重蔵に何か重大な頼み事を依頼している様子であった。その姿にいつもの強気な姿勢は一切なく、ひたすら土下座をして頼み事をしていたのである。あくまで表面上は。

「で、そのダボの名ぁ……なんて奴じゃ?」
「はい、最近転校してきた奴で、相撲部を創立した黒野と白石って奴らなんですよ」

自らの実力では勝てないと踏んだ高山は、重蔵を利用して黒野を始末してしまおうと言う計画を立てたのである。

(黒野……どっかで聞いた奴じゃの……)
「部室棟にある掘っ立て小屋があいつらの居城です。此処からは……お願いします」
「……解かった」
「それでは……」

重蔵に一礼しつつ、高山達は屋上から去って行った。

「高山さん……今度は大丈夫なんですよね?」
「いくらアイツでも大道寺に勝てるわけがねぇよ。だが、それを差し引いても大道寺相手にそこそこやれるはずだ」
「つまり?」
「黒野と大道寺が消耗したときが本番だ……一気にあの2人を袋にして復讐を果たすと同時に学校中の帰宅部や文化部の連中を占める……一石二鳥とはこの事よ」

その欲望はとどまる事を知らない。高山は黒野に復讐するだけでは飽き足らず、学浜の番長の座に収まる事も目的にしていたのである。
事情など何一つとして知らず、さらに立場上同じ派閥に所属している重蔵は断ることをしない。正しく完璧に近い計画であった。あくまで重蔵が黒野の事を知らなければの話であるが。

「重蔵さん。どうしますか?」
「別に大将が手を下すまでもないでしょ。俺っちは行けるぜ。暇だし」

重蔵の舎弟である2人の人物、とても男には見えないほど中性的な外見をした小柄な少年と、茶筅髷ともポニーテールとも取れる特徴的な髪型をした男がそれぞれ重蔵に声を掛ける。
それに対し、重蔵は何か思ったように顎に手を当てて考えていた。

(黒野……そういや昨日そんな奴がおったのぉ……あいつは学校を荒らしまわるような奴なんか……何か裏がありそうじゃい)

何かを決心したようにサングラスを外し、重蔵は舎弟二人に睨むかのように視線を向けながら、それぞれに指示を出した。

「翼……お前はそのコンビの事を洗いざらい調べてこい」
「解かりました」

翼と呼ばれた中性的な顔立ちの少年はその指示を聞いて屋上を後にした。

「で、俺っちはどうすりゃいいの?」
「菊丸、お前さっき行けると言うとったのぉ」
「おろ? もしかして?」
「その言葉、今回は甘えさせてもらうで」
「OK OK。任せな大将」

軽い返事と共に菊丸と呼ばれた茶筅髷の様な髪型の男も屋上から去っていく。

「黒野……手並み、拝見させてもらうで」