複雑・ファジー小説

Re: 十字星座の戦士※一時的更新速度上昇 ( No.20 )
日時: 2014/01/18 16:49
名前: Ⅷ ◆O.bUH3mC.E (ID: fZ73J0jw)

「しぶとい」

「お、おまえは……し、しつこいな」

正直、間一髪で躱したので、俺の突進の勢いはなくなり、地面に手をついて息を整える。あ、危なかった……

「けど、そろそろ終わりにする」

シエルも流石に、少しだけ息を切らしているが、体力の限界はまだそうだ。さすが、俺たちの代の主席といえる。

「『シャドウソード』」

シエルがそういうと、再び剣が、黒く染まる。だが、そこからシエルは行動に移さない。……あれは……

「くそっ……持続技かよ」

「正解……っ!!」

俺は立ち上がり、シエルは俺にむかって一気に跳躍する。持続技は、その技ひとつ、で様々な攻撃を繰り出すことのできる、上級中の上級の技だ。ただ……それの弱点は、ほかの技をその持続されている間使えないということと、上級以上の攻撃をすることができないということ……そして、これは人によって弱点かそうでないかはわかれるが……すべて自身でモーションをおこして使わなければならないので、個人の技の技術ではなく、剣術のスキルに、頼られるということだ。
シエルは、この技をあまり好まない。自分が戦うために学んだスキルは、型に頼る、技中心のスタイルだからだ。でも、そんなシエルが、技ではなく、自分の剣術に頼って勝負を挑んできたってことは……おそらく……俺に合わせて、だろう。俺が戦うために学んだスキル……学ばないで戦う力……自由型に、合わせたのだろう。
だったら……ここが、本当の、勝負の時だ

「いくぞ!!シエル!!」

「……」

シエルが斜め下に剣を振る。俺は斜め下から、斜め上に切り上げ、剣と剣がぶつかり合う。持続技によってシエルの剣は強化されていて、俺の剣のほうが重量が上なのに、弾き飛ばすことができず、互いに力任せに相手を押す。
しかし、シエルが力を抜いたと思うと、俺の剣は宙を空振り、シエルは一度後ろに跳躍すると、そこで二度剣を振る。それによって黒い鎌鼬が2つ生まれ、俺を襲う。
それを俺は剣を思い切り振り、ひとつを消し、二度目はしゃがんでかわす。シエルはそれを狙い、再び俺に肉迫し、剣を振り下ろす。それを俺はまた下方から剣を切り上げ、受け止める。

「……ふっ!!」

シエルが一度息をはくと同時に、今度は力を込める。その力は、俺が上に持ち上げる力よりも強いことがわかった俺は、即座に剣をシエルの剣からはなし、後ろに転がる。

「はっ!!」

だが、俺が起上るのをまたずにシエルは剣を地面に突き刺す。すると再び、2m弱の黒い剣が地面から俺にむかって順に生えてくる。———はやいっ
とっさに俺は剣を盾替わりに前に横に構え、俺の眼前から現れた黒い剣を、なんとか防ぐが、その衝撃で後ろに後ずさりする。
ピシッ……という嫌な音が聞こえる。とみると、俺の剣の刃溢れが、朝見たときよりもひどくなっていることに気づく。……無理させすぎたか……
顔をあげると、シエルが再び俺に迫っているのがわかる……くそ……やっぱシエルは強い。俺が得意とする接近戦でも引けを取らず、むしろ俺を押している。遠距離戦でも、技で俺を圧倒し、俺の接近すら許さない。さらに、俺のコンボもすべて楽々と防ぎきる。正直、同い年とは思えないほどの、熟練ぶりだ。だけど……俺は……まけ……たくない!!
別にもう、力とか、信じるものだとか、そんなのは、今となっては、こいつと戦う過程にすぎない……そうだ……俺は、ただ、自分の理想を、自分のプライドのために……負けたくないんだよ!!男としてな!!
シエルはもう、俺の目の前にいる。次にやつはどんな行動をとる?技をつかう?それともそのまま接近戦で勝負を付ける?読め。読むんだ。相手の考えの先を。
俺がとった行動は……

「『光炎剣』!!」

「っ!?」

シエルが剣を横凪に、俺の剣を弾き飛ばすために振る。その瞬間を狙って俺は、剣に白い炎を宿らせ、それをシエルの剣にぶつける。
白い炎がシエルの剣を飲み込む。だが、黒く塗りつぶされたシエルの剣は、熱を通さず、また、俺が狙った、剣の暑さで相手が手を離すという作戦がきかないこともわかる。だから……最後はやっぱり、力と力で、決着をつけようじゃないか!!
しゃがんだ状態でシエルの剣を受け止めている俺、立ったままの状態で俺のことをおすシエル。状況は最悪、そしてさらに、シエルの剣があたっているところから、刃溢れが悪化し、ボロボロと欠片が落ちていく。くそ……こんなことなら磨いどくべきだったな……と頭のなかでぼやくと同時に、俺の剣は真ん中から二つに折れ、訓練は、シエルの勝利として幕を下ろした。






—————————その二人の戦いが終わるそのときまで、白いローブを着た男は……不気味に笑いながら、見つめ続けていた。