複雑・ファジー小説
- Re: 十字星座の戦士※2話始 ( No.26 )
- 日時: 2014/01/18 17:05
- 名前: Ⅷ ◆O.bUH3mC.E (ID: fZ73J0jw)
……その名前を知らないものは……戦闘職業をやっているもののなかで、知らない人はいない。
今現在、戦闘職業の中でもっとも最強の人間に、神が直接授けると噂されている、最強で、頂点に君臨するにふさわしい称号、『アポカリプス』の称号を不動のものとし、十年前までは機関の頂点の座、最高権力者の名を我がものとし、この世界の秩序を、ルールを、正しい方向にもっていった、最強で、最高だった、この世界の全ての人間の憧れの的に、一時期なった、圧倒的カリスマをもっていた、男の名前。だが……とある事件により最高権力者の名を剥奪され、そして、国家反逆罪の罪に追われ、今現在、国家最高指名手配犯とされ、捕まえれば一生遊んで暮らせるほどの大金を首に掛けられている……男。
世界からの期待を一心にうけ、そして、裏切った、男……。
「発行は……十一年前、か」
「ギルド、『自由の翼』と、バウゼン・クラトスが共同して、機関襲撃テロを起こす、ちょうど一年前……だね」
「なら……これは、この本は、バウゼン・クラトスが、最高権力者の名を語っていた時に出された本で……信憑性は……」
ほぼ、間違いなく、事実。嘘偽りはないと、思える。
「そもそも機関の本部のあの塔は、神魔戦争で、神が、人間側の拠点としてつくったって言われてる……」
「そういった関連の資料が残っていてもおかしくはないですね……」
全員が全員で、その本が、きっと嘘をついていないだろう、と再確認する。そもそも、俺たちの世代は、直接バウゼン・クラトスがした「テロ」の内容についてよくしらないし、なぜわざわざバウゼン・クラトスは機関を内部からではなく外部のギルドの力を借りて潰そうとしたのか、そういった矛盾点がいろいろと見えていて、バウゼン・クラトスという人物をあまり嫌なイメージとしては見れないのだ。
「話を戻すぜ」
といって、フラムがまた、文章を読み上げる。
「では、神は、一体どこの誰とともに、魔族の王を封印したのか、という話につながる。四英雄は、最初のページに記されたお伽話のように、所詮は四天王と同等程度の力しかもたなかった、魔族の王は、その四天王を従えるほどの力をもっていて、四英雄が力をあわせたとしても、その力には到底及ばなかった、と推測されていて、現に、資料には、四英雄は四天王との戦いにより負傷し、力を最大限に活かせる状態ではなかったと、残されている」
「四英雄は、四天王との戦いでほぼすべての力を使い果たしてたってことか」
「そうゆうことだな。それでは、どこの誰が、魔族の王を封印したのか、という話にもどる。神にはすでに、魔族の王に対抗するほどの力の持ち主を作り出す力は残されておらず……、そこで、神が目をつけたのが、四英雄と、人間の間に生まれた……四人の子供たちだった……四人の子供達には、四英雄と同じ、光の力、氷の力、闇の力、炎の力がやどっていて、その子供達に……」
—————目覚めよ
—————目覚めるのだ
頭が、割れるように痛み出す。その文字をみた瞬間から、俺の頭の中で、夢の中の言葉が何度もこだまし始める。夢の中の出来事だと、けして現実ではありなえいだろうと思っていた。
だから、俺は驚愕して、言葉を失ってしまう。
あってはならない夢のあの映像は、現実……決まった未来なのか?
答えろ
と、頭のなかで、俺は思う。どこの誰かにいうまでもなく、俺が勝手に作り出したと思っていた夢の存在、あの光る十字架に問いかける。だが、十字架は答えない。ただ、こういうだけ
—————目覚めるのだ、十字星座の戦士よ
「十字星座の戦士、という名を与え……自身の残るすべての力を子供たちに収束させ……四英雄と、十字星座の戦士達が力を合わせることにより……魔族の王を、封印することに成功する—————」
—————目覚めるのだ、十字星座の戦士達よ