複雑・ファジー小説

Re: 十字星座の戦士 ( No.28 )
日時: 2014/01/18 19:23
名前: Ⅷ ◆O.bUH3mC.E (ID: fZ73J0jw)

「……」

天井にむかって、折れた俺の相棒を、掲げる。
ベッドに寝転がりながら、俺はまだ、昼間のことを考えていた。
あのあと、しばらくしたあとに、フラムの家をあとにした俺たちは、そのままなにもすることなく帰宅し、俺はそのあと、ずっと部屋で、無駄だとわかっている思考を繰り返す。
十字星座の戦士が存在する理由、十字星座の戦士の由来、十字星座の戦士の生まれ、そのすべてをしったとは思えない、だが、その一片だけを、知識で得ることになった。
それは、今まで俺たちがしっている神話の内容とは大きくかけ離れていたし、古の四英雄ですらも、その十字星座の戦士という存在の影に隠れてしまった。
十字星座の戦士が再び現れるとき、世界がどうなっているか……、それは、俺には知る術はない、だが、そのヒントはおそらく……あの、夢だ。
十字星座の戦士が、破滅を止めるために生まれた戦士だったとするならば、その存在が現れるとしたら、破滅が弾くったあとなのか、それとも……破滅が始まる前なのか、それはわかるはずもないが、古代の対戦で、十字星座の戦士は、破滅を止めるために、戦争の最終段階で生まれた。もしも、その手順にのっとっていたとすれば……もう、すでにどこかで、破滅への布石が下ろされたのかもしれない。平和は、もう、崩れ去っているのかもしれない。

「……そんなこと、機関がだまっているとも思えないが」

だが仮にそうだったとしても、この世界、グランドクロスのなかでおこった、大規模な事件があったとするならば、機関がすべての街の戦闘職業の人間を集結させて、その事件をおこした敵に立ち向かうだろう。だが、それがないということは、きっとまだ、なにもおこってないと過程してもいいはずだ。
……俺は起き上がり、部屋の窓をあける。冷たい風が一瞬、部屋に流れ込み、堅い思考が和らぐ。
そうだ……今は、十字星座の戦士なんかいなくても、「機関」という平和を実現化させた、俺たちの正義がいるんだ、十字星座の戦士の出る幕なんて、ないじゃないか。
俺たちが出る幕がない世界を実現させるための機関だ……と、俺は信じよう。それしかできないのだから。
この時は……まだ、自分に課せられた使命がなんなのか、わかっていなかった。いや……わかろうともしていなかった。
もしも、この時から、自分自身に課せられた使命に基づいた行動をとっていたならば……決まってたしまった未来は、変えられていたのかもしれない……だが……俺は、この時も、昔と変わらず……変わったと思ってたのに……変わっていなかった。……そう、ただ、ただ、今の現状に、甘えてしまっていたのだ。




……世界は、動きだす。ぐるぐると、回りだす……それが……破滅にむかって回っているのか……それとも……平和へとむかっているのか……それは、誰も知ることはできない……ただ、人々の行動で……その歯車は、動き始める……そのことを知らない俺は……「機関」にすべての責任を押し付けて……ただ、ただ、逃げるように眠るだけだった。