複雑・ファジー小説
- Re: 〜闇の系譜〜(ミストリア編)【完結】 ( No.367 )
- 日時: 2017/08/23 18:50
- 名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: C8ORr2mn)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=601.jpg
〜あとがき〜②
ここでは、各話ごとの感想・解説的なものを銀竹が語るだけです。
このシーンにはこういう意味があるとか、こう考えて書いたとか、過度なネタバレにならない程度に語っていきます……私の自己満足です(笑)
あとは、イラストとかもちまちま載せていこうかなと。
多分長くなりますし、読まなくても大丈夫です!
気になるなとか、分かりづらい章がもしございましたら、ちらっとでも見て下さると嬉しいです。
†序章†『胎動』
主人公はユーリッドとファフリなのに、いきなりルーフェンとトワリスが出てきて、「ん?」と思われた方もいるかもしれません(笑)
でも闇の系譜シリーズの本当の主人公は、ルーフェンとトワリスで、そのことを印象づけたかったので、この二人を最初に出しました。
また、序章では、闇の系譜の世界観、召喚師や魔導師のことなどを説明したかったので、サーフェリアの召喚師vs教会な場面を書いた次第です。
この章では、人間が獣人を見下してるような描写も入れてます。
精霊族はともかく、やっぱり人間からすると、獣人は原始的で劣っている種として認識してる設定です。
別に劣ってるってことはないですけど、それでも実際、獣人は魔力を持たないので、他国より文化が遅れている感じはありますね。
ハイドットの公害問題を起こしちゃったのも、これまで工業にさほど手を出してこなかったためだと私は思ってます。
トワリスが売国奴扱いされた原因、彼女が獣人と人間の混血であるという設定も、結構押し出しました。
他国同士関わりがないはずなのに、なんで?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
この話は、第三章の第三話、ロージアン鉱山での、木の葉模様の栞の件でも触れています。
言っちゃえば、スレインという女の獣人が関わっているのですが、詳しいことは、サーフェリア編で書こうと思っています。
イシュカル教会の最高権力者、モルティスは、今後も出番は多いです。
トワリスと言い合っている場面で、「こいつうぜぇ」と思うでしょうが、まあ、彼も一応サーフェリアのために頑張ってるので許してあげてください(笑)
やり口が汚いのは頂けないですけどね。
トワリスが売国奴であるか、そうでないかは、正直どうでもいい。
とにかく召喚師側の人間を追い出したい、そんな魂胆が丸見えなので、モルティスは大司祭とは思えない腹黒さです。
†第一章†──安寧の終わり
第一話『隠伏』
ようやく主人公のユーリッドとファフリが登場しました。
敬語を使ってるユーリッドが、なんか笑えますね。
ユーリッドって、脳筋だけど別に礼儀知らずじゃないんです(笑)
上の立場をちゃんと敬うっていう姿勢は、見習い兵時代に散々叩き込まれてるので、ちゃんと敬語とかは使えます。
ファフリを逃したとき、妃レンファやアドラは、どれほど未来のことを見据えて考えていたのでしょうね。
正直、逃げたところで、召喚師の運命から解放されることはないんです。
時間が経てば、リークスの力がどんどんとファフリに継承されるわけですから、ファフリは、その力をものにして悪魔を従えるか、逆に悪魔の力に飲まれて死ぬしかありません。
それでも生き延びてほしくて、僅かな可能性に賭けて、レンファは娘をアドラたちに託したのでしょう。
ユーリッドとファフリは、結局まだ十六の子供。
レンファとアドラがどれほどのことを考えていたのかと思うと、結構ぐっとくるものがあります。
この時点では、ファフリもまだ前向きですね。
というか、急展開の割に落ち着きすぎだろと思うかもしれません。
でもこれは、第四章の第二話にもあるように、ファフリも薄々勘づいていたのです。
自分が、リークスに命を狙われていてもおかしくない状況であることを。
また、ユーリッドに敬語はやめて良いと告げて、昔話をする場面は、第五章の第一話と合わせると、ふむふむという感じです。
それにしても三年以上前の文章って、なんか恥ずかしい。
第二話『殲滅』
リークス王からの刺客と戦う話ですね。
この話は、多くの方にお褒め……というか悲しんで頂きました(笑)
アドラさーん!
私自身、「序盤が勝負! インパクトのある話にしないと!」と思っていたので、その点については成功したのかなと喜んでおります。
おかげで、アドラさんが好きだと言ってくださる方が一番多いかもしれません。
ちょっとここまでアドラさん推しの方が増えると思ってなかったので、結構戸惑いました(笑)
この話では、早速ハイドットの話題も出ていますね。
ハイドットは、ミストリア編において超重要なアイテム。
実はアルファノル編でも少し出てきます。
ハイドットの武具があれば、召喚師にも対抗できちゃいますからね。
第三話『策動』
ここでルーフェン再登場。
序章に繋がる話で、ここではサーフェリアの現状や、召喚師ルーフェンとトワリスの周囲の関係などを書いてます。
世界観の説明のための章って感じですね。
アレクシアたちとの会話は、掘り下げるとサーフェリア編のネタバレになるので控えますが、王都シュベルテと召喚師一族には確執があるようです。
とりあえずルーフェンは嫌われてて、あんまり友達いなさそうですね(笑)
†第二章†──邂逅せし者達
第一話『異郷』
今度はトワリスの出番です。
獣人の血が混じっているとはいえ、生まれも育ちもサーフェリアである彼女にとって、単身ミストリアに渡るっていうのは、やはりなかなかつらい決断だったんじゃないかなーと思います。
かつては一つの大陸だったことから、四国に分かれた今も、言葉は通じますが、いきなり外国に放り出されるようなものですからね。
まあでもたくましいのが売りのトワさんなので、巨大蝙蝠なんかもバサバサ倒しますw
洞窟に入ったとき、トワリスが暗いのは苦手、みたいな描写があったと思いますが、実はこれも、サーフェリア編に繋がる設定になります。
まあ、めちゃくちゃ大事ってわけではないですが(笑)
第四章の第二話で、眠るトワリスの寝室にルーフェンが灯り(燭台)を置きっぱなしにしたのも、ルーフェンが彼女の暗所恐怖症を知っていたからなんですね。
第二話『果断』
悪夢のような一夜を無事に生き延びたユーリッドとファフリ。
この章から、ファフリの次期召喚師としての覚醒の片鱗が見え始めます。
また、ここでファフリは、初めてミストリアの闇深い面(闇市)を見ることになります。
もちろんミストリアに限らずなのですが、人々の暮らし、闇市の光景なんていうのは、ずっと城で育ってきたファフリにとっては、初めて見る景色だったに違いありません。
この話では、トワリスも登場しますね。
お互い訳ありで、警戒し合いながらも一緒に旅することになった三人ですが、これが物語の始まりとも言えます。
アドラが亡くなって、ユーリッドとファフリに新たな保護者ができました(笑)
第三話『隘路』
二度目の襲撃で、ファフリたちは渓流に飲まれてしまいます。
ここで、ユーリッドのかつての親友イーサも登場しますね。
第五章の第三話でも語られますが、心の中ではユーリッドたちを案じつつ、じゃあ兵団を裏切れるかというと、それは難しいイーサくんです。
実はそこそこ重要な登場人物でした。
この話で、トワリスはファフリたちの正体に気づいてしまいます。
サーフェリアのため、ファフリを殺そうとも考えるトワリスですが、最終的には彼女たちの助けになることを決意します。
サーフェリアの宮廷魔導師として、その決断は甘いんじゃない?って思いますよね。
私も思います(笑)
でも一応擁護しておくと、この時のトワリスは、やっぱりユーリッドとファフリの姿を、かつての自分たちと重ねてたんじゃないかなと思います。
召喚師であることに苦しんでた昔のルーフェンを、ずっと見てきたトワリスなので、他人事には考えられなかったんだろうと。
宮廷魔導師として実力も認められていたはずの彼女ですが、良くも悪くも非情になりきれない部分があります。
けれどそのおかげで、ユーリッドたちの旅に微かに希望が差します。
やはり子供だけで生き延びようというのは、酷ですから、アドラに代わるトワリスの登場は、二人にとっても大きなものでした。
- Re: 〜闇の系譜〜(ミストリア編)【完結】 ( No.368 )
- 日時: 2017/08/27 21:42
- 名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: OZDnPV/M)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=607.jpg
〜あとがき〜③
†第三章†──永遠たる塵滓
第一話『禍根』
宿場町トルアノにまで、奇病が蔓延していることを知った一行。
トルアノは何度も王都ノーレントに病に関する文書を送ったと言っていますが、召喚師リークスに動きはありません。
この時既に、宰相のキリスが、ハイドットの武具の生産を再開させようと、隠蔽工作していたのでしょう。
この話で、ミストリアの南大陸で流行っているという奇病について、明らかになってきます。
奇病にかかった獣人たちは、果たしてサーフェリアに襲来した者達と同じなのか。
第二話にも続く推理タイムです。
また、ファフリがいよいよ、ミストリアの現状を認識し始めます。
何よりも国を大切に思っているはずの父王リークスが、なぜ動かないのか。
父が自分を愛してくれないのは、政に忙しいからだと信じ込んでいたファフリにとっては、辛いことだったのかもしれません。
でもこのとき、父をかばったファフリを見て、ユーリッドは複雑な気持ちになります。
ユーリッドからすれば、リークスは憎むべき相手。
命を狙われて尚、父をかばうファフリの姿は、見ていて気持ちの良いものではなかったのでしょう。
この話の最後では、闇精霊の王であるアルファノルの召喚師、エイリーンが登場します。
謎多き人物ですが、とりあえず一言。
エイリーンは無性別です。
混乱してしまう読者さんがいるかもしれないので、言っておきますが、性別はありません。でもおかまじゃないよ(笑)
圧倒的な力をリークスに見せつけたエイリーン。
ミストリア編でもそこそこ出てきますが、今後アルファノル編ではかなり重要な登場人物となってきます。
キリスにゃんの悪巧みも、割と簡単にばらされちゃったね。
第二話『慄然』
本格的に奇病について掘り下げていく話です。
あとは、ユーリッドとファフリ、トワリスがだんだん打ち解けていく描写も入れてます。
読者さんの中には、気づいてくださった方もいますが、このミストリア編での奇病、まさに公害病ですよね。
特別どの病気を参考にしたって訳でもないのですが、現実で言う水俣病あたりに似てるかもしれません。
ちなみにリーワースの木は、白樺をイメージしました(笑)
特徴的な細長い葉の形は、実は関所の辺りでもその描写を出しています。
第三話『落魄』
ついに奇病の謎が明らかになりました。
ちなみに、前にも書きましたが、タランの手記に出てきたスレインという女性は、トワリスに深く関わる獣人です。
この辺は年号のすり合わせも大変でした……(笑)
ちゃんと計算したので、サーフェリア編との矛盾点もない、はずです(^o^;)
話の終盤では、黒幕がリークス王でないことが分かりました。
でもファフリのことは、リークスは殺す気満々ですね。
リークス的には、召喚術が使えるかどうかも勿論重要ですが、それ以前に、王たる強さと威厳を備えた後継者が欲しかったのでしょう。
その点ファフリちゃんは、確かにちょっと優しすぎる感じがします。
父親としてはクズだけど、一応リークスは王として、ミストリアのことを考えてました。
ハイドットの危険性を理解し、ハイドットの武具の生産を中止させてたんですね。
でもキリスにゃんがそれを再開させろと命令し、その事実を隠蔽。
廃れたあとも、再び生産開始させようと目論んでいるわけです。
力に取りつかれ、狂ったキリスにゃん。
ラスボスと見せかけてあっという間に出番が終わったリークス王。
咄嗟にサーフェリアに逃げたユーリッドたち。
あと、エイリーンも何か企んでるなって感じの話でした。
- Re: 〜闇の系譜〜(ミストリア編)【完結】 ( No.369 )
- 日時: 2017/09/19 12:16
- 名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: C8ORr2mn)
- 参照: https://twitter.com/icicles_fantasy/status/903528756463099904
〜あとがき〜④
†第四章†──対偶の召喚師
第一話『来訪』
ついに一行がサーフェリアに渡り、ルーフェンやリリアナたちも出てきます。
ついでにサーフェリア編で問題になっている、リオット族も登場しますね。
リオット族については、後々また書きますが、実は巨人族の末裔。
身体能力で言えば獣人に敵いませんが、単純に腕力と頑丈さで言えば、獣人にだって負けません。
瀕死の三人を助けてくれたリリアナとカイル。
この二人、私はとても気に入ってます(笑)
この姉弟の話も、サーフェリア編で沢山書こうと思ってますが、とりあえずミストリア編では、一般人なのにトワリスたちと知り合ってるせいで、やたら肝が据わっている人達、という認識でいてください(笑)
底抜けに明るくて、ちょっと空気が読めないリリアナさんも、一人で弟を育て上げた苦労人だし、一見クールに見えるカイルくんも、実は結構なシスコンです。
また、この話あたりから、ファフリがだんだん強くなってきます。
夢から目をそらさないでいようとか、ルーフェンを一人で探して見せようとか、脱お姫様してますね。
宮廷魔導師であるジークハルトや、ハインツも登場します。
ジークハルトなんかは特に、突如現れたユーリッドとファフリに警戒MAX。
まあ、当然と言えば当然ですよね。
ルーフェンなんかは、最初は正体を怪しんで自分が召喚師であることを偽りますが、それでも、自分がトワリスに渡した緋色の耳飾りを、ファフリが着けてたので、「この子達トワリスが連れてきたな」って一発で勘づきます。
でも、そんなの知らないジークハルトたちは、ユーリッドたちを敵視しちゃうのが普通だと思います。
ちなみにジークハルトは、サーフェリア編で大活躍のオーラントさんの息子。
最年少で宮廷魔導師団長になった実力者であります。
唯一ルーフェンと渡り合えるって言うか、召喚師の一族でもないのにめちゃ強いので、ある意味作中一の秀才じゃないかと私は思ってます。
第二話『慧眼』
エイリーンの怪しい動きが気になるものの、ようやくトワリスが目を覚ました。
ちなみに、ルーフェンとトワリスが再会したとき、ルーフェンが最後に「トワ」ではなく「トワリス」と呼んだのは、誤字じゃないです。
その後、ユーリッドたちも交えて今後のことを話し合いますが、この時のルーフェンは、正直ファフリたちのことをあまり良くは思っていなかったと思います。
良く思ってないっていうか、苦手って表現の方が合ってるでしょうか。
エイリーンとのこともあるし、ファフリたちのことを助けようとしていたのは事実ですが、召喚師であるが故に色々と屈折した人生を送ってるのがルーフェンなので、ファフリとユーリッドみたいなピュアッピュアな性格の子供達を相手にするのはやりづらかったのでしょう(笑)
ファフリたちを救おうとしていることを、教会に勘づかれないよう、ルーフェンは刺々しく現実を突きつけますが、ある意味そのときの態度が、一番本心に近かったのかもしれませんね。
でも、その時のユーリッドの「召喚師だから、なんだよ」って言葉は、幼少の頃のルーフェンが、すごく欲しかった言葉なんじゃないかなぁと思います。
召喚師であることが嫌で、召喚師だから国を護れとか、そういう押し付けを嫌うルーフェンですが、実は最も召喚師だという事実に固執して囚われているのは、ルーフェンなんですよね。
地下牢では、ファフリがユーリッドに、リークスとの思い出がないことを告白します。
ファフリは小さい頃、自分が構ってもらえないのは、リークスが国のために奔走する忙しい国王だからと無理矢理納得して過ごしていました。
この時ファフリも、ルーフェンの言葉で、悪魔の召喚が自分の気持ち次第であることに、気づいたんじゃないでしょうか。
ファフリは、才能がないわけではなく、単純に、心の中では悪魔の召喚を望んでいなかっただけなんですね。
また、ユーリッドも、次期召喚師だからという理由からでなく、ファフリが本当にミストリアを救いたいのだと気づきます。
それを成し遂げられるとは、まだ思っていませんけどね。
第三話『偽装』
ユーリッドたちの処遇を決める、審議会が始まりました。
正直、モルティス率いる教会の言い分の方が正論じゃね?って思います(笑)
それもあって、ルーフェンは反論はせず、ファフリたちを殺したと見せかける方法をとりました。
モルティスも、やり口は汚いけど、間違ったことはあまり言ってないんですよ。
トワリスが責め立てられたとき、かばったユーリッドの発言も、なかなか鋭いんじゃないかなって個人的には思います。
ユーリッド、脳筋っぽいところありますが、意外と洞察力はあるんです。
ただこのとき、トワリスは、売国奴だって指差されることにダメージは受けてますが、ルーフェンがファフリたちを助けるつもりだということは、前話の最後で気づいてるので、超絶焦ってるわけではありません。
ルーフェンすら味方してくれなくて、本当にファフリたちが殺されそうになったら、多分大人しくひざまずいてなんていないでしょうね(笑)
ユーリッドたちを殺せと宣言したモルティスを、「じゃあどうぞ?」と挑発したときのルーフェンは、どちらかというと賭けに出た感じがあります。
ただ、前回の獣人の公開処刑で、モルティスが完全に獣人にビビってるのは知ってたので、ルーフェンも言い負かせると確信してた節はあるのではないでしょうか。
公開処刑のことがなくても、サーフェリアは全体的に、召喚師に対して畏怖の感情を抱いている傾向にあります。
だから、いざ次期召喚師であるファフリを殺せと言われたら、きっと躊躇うんだろうとルーフェンは予想してたに違いありません。
ルーフェンの吹っ掛け方に、バジレットはちょっと呆れ顔ですが、ファフリたちの処刑を当然ルーフェンにやらせるつもりだったモルティスは、面食らいます。
また、ルーフェンがファフリたちを殺したら殺したで、周囲がドン引きすることも、ルーフェンは予想してました。
召喚師の一方的で強力な力を、サーフェリアの人間たちは決して良く思っていません。
だからこそ、ルーフェンはより残虐な方法で、ユーリッドたちを殺したと見せかけました。
結構めちゃくちゃな計画ですが、そうすれば、真相を深入りして探ってくる者が減る、と考えたわけです。
「やーい殺せ殺せー!」と興奮している周りを、「い、いや、それはちょっとやりすぎだろ……」と興ざめする方向に持っていったんですね。
ルーフェンと付き合いが長いジークハルト辺りには、この作戦気づかれてましたけど(笑)
終盤では、エイリーンとルーフェンに関わりがあることが分かりました。
ここで、ルーフェンだけがリークスの死を知ります。
でも二人の意図は、まだはっきりしていません。
ルーフェンはエイリーンに協力しているようですが、エイリーンはトワリスに大怪我させるわ乗っ取るわで、かなりの横暴を働いたので、ルーフェンちょっと怒り気味。
ですが同じ召喚師とはいえ、エイリーンは少し特別な立ち位置なので、逆らうのは難しいようです。
エイリーンと精霊王グレアフォールの間にも、何か問題がある様子。
今後も動向に注意。
アルファノル編に続く!(笑)
- Re: 〜闇の系譜〜(ミストリア編)【完結】 ( No.370 )
- 日時: 2017/09/19 10:49
- 名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: KnTYHrOf)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=618.jpg
〜あとがき〜⑤
†第五章†──回帰せし運命
第一話『眩惑』
ユーリッドとファフリの過去の話が出てきます。
ユーリッドパパ、理想的なお父さんを目指して書きました(笑)
ファフリと同じく、あまり父親と接点のないまま育ったユーリッドですが、マリオスに関してはすごく良いパパでした。
国を護るのは召喚師だけの役目じゃないっていう考えも、現実では直接話したわけじゃないですが、パパから来てたのかもしれませんね。
このパパとのシーンは、是非外伝の『忘却と想起の狭間で』と合わせて読んで頂きたいです……。
外伝は基本ふざけてるので、あまり勧めないんですが、この二つの話はかなり繋がってる部分があるので。
ユーリッドとファフリが、一緒に海を見に行く場面も、結構気に入ってます。
ファフリにとってユーリッドは、自分を殻の中から引っ張り出してくれる大切な存在だったんじゃないかなぁと思います。
塔から飛び降りる時、ユーリッドは「絶対受け止めるから信じて!」と言ってますが、この台詞、フェニクスの夢から抜け出すときも全く同じことを言ってるんですよね。
わざとなのか、わざとじゃないのか……どちらにせよ、ユーリッドは何気に作中一の天然イケメンじゃないかと思ってます(笑)
この話で、アドラ再登場しますね。
当初この展開は予定していなかったのですが、第一章に出て以来、アドラが結構人気だったので、用意しました(笑)
これは、フェニクスが見せている夢が、ユーリッドとファフリの望む世界だから、アドラが出てきたのか。
あるいは、本当にアドラが霊魂となって出てきたのか。
どちらなのかは、皆さんのご想像にお任せします(^^)
ちなみに、黒い影ことアドラとユーリッドが戦った際、ユーリッドは、肩口に刺さった剣に構わず、影の腹に剣を突き立てます。
この戦い方、第一章の第二話で、刺客との攻防で見せたアドラの身の振り方と同じなんです。
ユーリッドが意図的に真似したのか、無意識に真似したのかは分かりませんが、アドラって、ユーリッドの第二のお父さんみたいな感じだったのではないでしょうか。
むしろマリオスよりも、アドラの背中を見て育った時間が多かったんじゃないかと思います。
旅立った頃に比べれば、ユーリッドも強くなったなぁと、アドラも認めて姿を消したんじゃないかなと。
第二話『決意』
召喚師トークのお時間です。
ルーフェンの家の地下倉庫にあった怪しげな魔導書に関しては、サーフェリア編でも重要なものになってきます。
ちなみに、倉庫を照らしていたぼんやり光る不思議な銀白色の石ころは、サーフェリア編で登場したシシムの磨石。
はっきり言ってこの場面は、サーフェリア編のために用意した場面ですね(笑)
シルヴィアさんの話題もちょっぴり出てきます。
ファフリちゃんその話は地雷よ( ´∀`)
山中での会話では、ルーフェンとファフリ、二人の召喚師としての考え方の違いを出しました。
ぶっちゃけ、ファフリのほうが器が広いですね!(笑)
まあ勿論、境遇の違いというのはあるのですが。
自国を愛し、綺麗な面も汚い面も受け入れ、自ら召喚師として生きることを決意したファフリ。
一方、まだあまり多くは語ってませんが、自国を憎み、周囲を斬り捨て、召喚師としての運命を全て拒絶しているのがルーフェンです。
そんなルーフェンにとって、ファフリの考え方はやっぱり綺麗事っていうか、夢見がちな理想論を唱えているように聞こえたんじゃないでしょうか。
ルーフェンだって、幼少期は綺麗事言いまくってたんですけどね(笑)
ただルーフェンも、危険を冒して、一人でミストリアに戻ると言ったファフリの強さには、心から敬意を払っていたように思います。
ファフリがミストリアに旅立った後の、ルーフェンとユーリッドが言い争う場面では、やはりユーリッドの言い分が尤もなように感じますね。
ルーフェンもひねくれたこと言ってユーリッドに反論してはいますが、彼も本当は、ファフリを一人で行かせるのは得策でないと踏んでたと思います。
エイリーンに「ファフリ死なせたら許さんへんで」って脅されてますしね。
それでも一人で行かせたのは、なんとなく召喚師同士、ファフリの気持ちが分かったからなのでしょうし、ここで死ぬようなら、召喚師として生きたところでファフリも辛い思いをするだけだろうと考えてたからなのかなぁと思います。
また、前のあとがきにも書きましたけど、ユーリッドの台詞は、とことんルーフェンの心に響くものが多いと思います。
サーフェリア編読んで下さってる方がいましたら、思い当たるかと思うのですが、ルーフェンは幼少期、やりたくもない国の守護を押し付けられて、とにかくうじうじしてます。
『国民の味方を気取って、貧困を見て見ぬふりする政治も、人形みたいな母親も、上辺ばっかりの貴族も、他力本願に国を護れとか言ってくる連中も、全部大嫌い。
召喚術を使うのも、人殺しを繰り返すのも嫌だ。
国を護れと押し付けてくる癖に、本当は心の奥底で悪魔の力を恐れ、召喚師を敬遠してる輩も、全員消えればいい』
とか思っちゃってたのが幼いルーフェンなので、そんな幼少期に、ユーリッドみたく「召喚師一人に国の守護なんてものを背負わせたりしない!」って言ってくれる人がいたら、色々と変わってたんじゃないかなぁと思います。
まあルーフェンにはトワさんがいるけどね。
ユーリッドとファフリは、王道主人公ですが、ある意味作中で一番精神的に安定した人物だと思うのです。
特にユーリッドね。
第三話『帰趨』
この話に関しては、もはや言うことはありません……。
ああ、ついに終わっちゃうんだなぁって気持ちで書いてました(笑)
奇病のことは簡単に解決しないし、召喚師として即位したファフリは、今後も苦労していくのでしょうが、それでも、ひとまずおめでとうって言いたいです!
†終章†『光闇』
アルファノル編への伏線みたいな章です。
何やら怪しいエイリーンとルーフェンですね。
その二人を警戒するツインテルグの精霊達。
ちなみにルーフェンが最後に使っていた召喚術の悪魔は、バアルです。
ファフリがカイムと相性が良いように、ルーフェンはバアルを使うことが一番多いです(^^)
最後の最後に召喚師四人全員が出てきました!
さて、いい加減あとがきはここまでにしておきます。
正直、自分でもドン引きするくらい書いてしまいました(笑)
まさかここまで全部読んで下さってる読者さんはいらっしゃらないと思いますが、今後もどうぞ、闇の系譜シリーズをよろしくお願いいたします!
また、完結した時期に、2017年夏の大会にて、本作が金賞を頂きました。
応援してくださった方、本当に本当にありがとうございました!
〜闇の系譜〜(ミストリア編)、今度こそ終わりと致します(*´∀`)