複雑・ファジー小説
- Re: ANIMA-勇者伝-【オリキャラ募集中】 ( No.115 )
- 日時: 2014/02/19 18:06
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: u/Zf4dZT)
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外へ出るとライムが迎えてくれた。手には何故か弓の棹を持っている。
「おかえり、ラータちゃんたち!」
笑顔でグライトにへばりつくライム。グライトはライムに地下の事を告げた。ライムは「やっぱり」と言ってブランコに戻る。
「あ、これラータちゃんにあげる。さっき作ったの、上手でしょ? 弓矢って使ったことある?」
「でも矢が無いよ?」
「矢は他でいっぱい売ってるからそこで買った方が速いよ。ね、あげる!」
ライムはそう言って弓を渡す。グライトは快く受け取った。
初めて弓と言う物を触り、少し感動しているグライト。その隣でクウゴは空を見上げていた。
「どうしたの、クウゴ?」
「いや、もうすぐ……」
言いかけたクウゴに鳥が飛んでくる。伝書鳥だ。伝書鳥と言うのは手紙や新聞を運んでくる鳥の事。その鳥がクウゴに何を運んで来たのだろう? グライトはクウゴの手の中の手紙を見せてもらおうと思ったが、クウゴはその手紙をぱっと閉じて笑う。
「俺ちょっと用事が出来たから、お前等と一緒に行けるのは此処までだ。またどっかで会おうぜ」
唐突に告げるクウゴ。驚きの顔でクウゴを見るグライト達。
そんなグライト達に変わってライムがクウゴに尋ねる。
「どこに行くの?」
「ちょっとな」
クウゴはそう言って黒い煙と共に消えて行く。残されたグライト、ミキ、ソラは唖然とそれを見送った。
一体クウゴはどこへ行こうと言うのか、今となったらその行方はつかめない。
仕方なくグライト達は三人で先に進むことにした。きっとどこかでクウゴはまた現れるだろう、そう思いリーフの中央を横断する。
今度はリーブルも一緒だ、ちょっとだけ心強い。グライトはリーブルを撫でながらそんな事を思った。この気まぐれな猫がいつまで付き合ってくれるのかわからないが、そこはあえて心配しないよう心がけることにした。