複雑・ファジー小説
- Re: ANIMA-勇者伝-【オリキャラ募集中】 ( No.192 )
- 日時: 2014/03/28 18:59
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: 6sQlqYA7)
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数分間ショーは続いた。ショーの内容は一言でいえば「奇跡」に近い。
手品から始まり、何もない場所から元気な草や花が生えてきたり、噴水の水が飛び散ったりとリィナにピッタリな幻想的なショーだった。
グライトは初めてみるショーと言うものに感動を覚える。「世の中にはこんなにすごい事をできる人がいるんだ」と気付けばそのショーに夢中になった。
ショーのラストを飾るのはハーモニカ綺麗な音色が客の心を優しく包み込む。皆うっとりした顔で聴き入った。先ほどまで争っていたヨハネスとアマリアも今は穏やかな顔だ。
そうしてショーが終わると、皆は一斉に金貨をリィナの置いていた手品で使ったシルクハットに入れ出した。一言一言お礼や感想を言われてリィナはとても嬉しそうだった。
グライト達も金貨を入れる。
「騒ぎを止めてくれてありがとう。貴方達も旅をしているんだよね? 初めまして。あたしはリィナ・ベキスター。旅芸人をしているんだ〜よかったらこの後お礼も兼ねて何処か食べにいかない?」
その申し出にグライト達は喜んでと言葉を添えた。
そんな中、おずおずと近寄って来たのはアマリアとヨハネスだ。二人ともリィナの顔色を窺うよう見ている。
「その、争いごとを大きくしてしまって……ごめんなさい。貴方のショー今まで見た中で一番美しかった」
「ぼくも誤解を招く様な言い方をしてしまってごめんなさい。ショー楽しかったよ!」
リィナはそんな二人の様子を見てほほ笑む。
「気にしてないから、二人とも楽しんでもらったようでよかった。二人はこれから予定は?」
そう言ってアマリアとヨハネスを見た。
「ぼくはまだ犯人が捕まって無いらしいからそっちに。なにか困った事、事件があれば僕にお任せあれ! って言う事でじゃあまた会いましょう!」
ヨハネスはそう言ってバタバタと中央広場を抜けて行く。忙しいらしい。
リィナはアマリアを見た。
「私は特に何もありません。お食事、一緒に行っていいかしら? ここら辺の事はあまり知らないので困っているのです」
ならと言う事で、6人でどこか食べられる所を探した。
リュウは何日かこの国に居るのか、色々な場所を案内しながらゆっくり移動する。
そこで気付いた事は、アマリアは気の強い女の子だと思っていたが、案外天然で貴族出身だと言う事がわかった。
グライトは貴族がどんな所なのかと色々な質問をしてみた。アマリアはそんなグライトの質問を適当に答える。あまり自分の家族は好きでないのか、家族の話はしたがらなかった。
訳ありな人達が多く存在しているとグライトは改めて世界の広さを感じた。