複雑・ファジー小説

Re: ANIMA-勇者伝-【7/20更新】 ( No.297 )
日時: 2014/07/28 21:29
名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: o.w9FXPe)



 簡単なバーの様な所にクウゴとミキはいた。何やら話しこんでいるようだったが、グライト達が声をかけると話しをいったん打ち切り、歓迎してくれた。
グライト達は促された椅子へと腰をおろし、城であった事を簡単に話した。ゼルフと会えると言う事もしっかり話した。

「クウゴ達も来る? 正式に会うって言う事だから、クウゴが心配しているような事も無いと思うけど」

グライトの申し出にクウゴは頷いた。ミキも賛成しているようだった。
ではさっそくいつドラファー帝国へ向かうかと言う話しを始める。
ドラファー帝国は今戦争の真っただ中にある。門から入れてもらえる可能性は極めて少ない。どうやって国の中へ入ろうか、出来るだけ安全に穏便に済ませたいところだが……。
そもそも正面はきっと軍隊が固めていて近づくことも難しいだろう。
さてどうしたものか……。
五人はそれぞれ厳しい面持ちで一番の安全を考えた。個人的にも無駄な殺生や争いは避けたいのだろう。

しばらく考えること数分、クウゴが妙案を思いついたとばかりに顔を上げた。

「たしかこのエターナル王国からドラファー帝国まで裏列車が通っていたはずだ。そこをつかおう」
「裏列車?」
「あぁ、一般国民は知らない。地下に掘られた裏ルート。なんで作られたかは知らないが、今もまだあるはずだ」

ニッと笑うクウゴに、どこからそんな情報を仕入れたのかグライトは尋ねるが、答えてはくれなかった。
色々怪しそうな列車だが、そこ以外使えそうな所はなさそうだ。グライトを含め他四人はクウゴの意見を採用することにした。

「じゃあ出発は今日の夜。出来るだけ一通りの少ない所を選んで行こう」
「どうして?」
「そりゃバレちゃ面倒な奴らに目をつけられるからだ。いいな、これは約束だ」

頷く四人に晴れやかな顔でクウゴは列車の場所を教える。
場所は西側にある馬の銅像が目印らしい。入口までは教えてくれなかったが、クウゴについて行けば大丈夫だろう。集合場所をそこに決め、各自解散した。
後半日、グライト達は食料と水の確保を、クウゴとミキは何かやる事があるらしいので夜までこの国にはいないらしい。
何をするのかは気になったが、人には秘密の一つや二つあるだろうと言う事で詮索はしなかった。