複雑・ファジー小説
- Re: ANIMA-勇者伝-【8/1更新】 ( No.303 )
- 日時: 2014/08/03 23:02
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: o.w9FXPe)
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列車を探検していたグライトとユーノ。丁度共同スペースで落ちつける場所を見つけ、そこの席に腰を下ろす。
「ふうっ」と一息ついた後、グライトは隣に座っているユーノをチラリと見て呟いた。
「結構歩いたな〜、今どこらへんだろ?」
「うーん……ここらへん?」
ユーノは途中で見つけた「ご自由にお取り下さい」と書いてあった、乗車案内の簡単な地図上を指差す。
「そっかー」と言いながらグライトはチラリと見て、手に持っていたジュースを飲みほした。ゴミ箱にそれを投げ入れて、見事入った事にガッツポーズをとっていると、たまたま横目に入ったユーノが遠い目をしていた。
グライトは不思議に思い、どうしたと尋ねる。ユーノはいつもより元気で、元気のない笑顔を見せた。
「別に、ちょっと疲れただけ」
そう言って「お腹すいたね」と続けるユーノ。どうも腑に落ちないグライトは少し踏み込んで聞いてみることにした。そういや最近あまり二人で話してなかったなァと思ったのもあった。ユーノが旅に加わった時あれだけ話したと言うのに、最近はゴタゴタが続いたからそれどころじゃ無かったのかも、と体よくこの機会を利用してみることにした。
「うーん……」
だが当のユーノは苦い笑いのまま言い渋る。
ふと視線を外して何かを言おうと力強く頷き、「あのね」と口を開いた。
——その時だ。
列車の運転室らへんで尋常でない大きな爆発音が響いたのだ。
驚いたグライトとユーノは息を飲み、少し反応が遅れて立ちあがった。
「……ッなに?」
「とりあえず行ってみよ!」
二人はそう言って近くにあるだろう運転室の所まで走った。
走っている間、先ほどの爆発音が聞こえたのだろう前の列に座っていた客達は慌てている。ただ、訝しげに感じたのは次の列へ行った時は、大半は落ち着きを払っていたことだ。
異様に思い、グライトは客を見渡す。目についたのは厳つい人、静かな人、驚き興奮している人、どれも一般人とは程遠い気配を感じる。
(そっか、ここに居る人、一般人だけじゃないんだ)
そう思い当たり、納得するグライト。
だが話は別だ。危険と言うことには変わりない。
とりあえず運転室がある一両目へと今度は落ち着きを払って、歩いて足を進めた。