複雑・ファジー小説

Re: ANIMA-勇者伝-【8/3更新】 ( No.310 )
日時: 2014/08/04 23:16
名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: o.w9FXPe)



 仕掛けられた地雷を排除したクウゴは不穏な空気を感じ取り、霧のまま少し遠くまで足を延ばしてみた。

「なんだあれ? 兵士?」

クウゴはそう呟き、地上へと登り立つ。クウゴの視線の先には、沢山のパルメキアの兵士と一台の戦車が見えた。
何をしているのだろうかと思い、少し眺める。
兵士はそのまま戦車の銃口を地面へと向けた。クウゴはそこで思い当たった。埋める気だと。
そしたらまずい。下に居るグライト達があの危険な所で取り残されてしまう。
あの後よく調べてみると地雷は4,5発まだ埋められていた。線路に埋められた地雷を他の人ならともかく、降りてきたグライトやミキ、リュウやユーノの下で爆発したら彼らの命は無いだろう。

「めんどくせぇ」

クウゴはそう言って黒い霧をもう一度生み出した。今度は手に大鎌を持ったままだ。
そのまま駆けだしたクウゴ。その速さは人では無いそれだ。
スピードを落とさずして飛び込んで行くクウゴに兵士たちは何が起きたのか分からず、ただ命を落としていくばかりだった。
クウゴはそのまま全ての兵士を狩り終えた後、地下へと姿を消した。残ったのは兵士の死体だけだ。一つの死体がビクビクと痙攣を起こしながら無線機へと手を伸ばした。

「何者かに……きしゅ……をうけ……」
<ん? どうした? よく聞こえないぞ! 応答しろ! おい!! ……クソッ>

ブチッと乱暴に切られた無線機の奥では慌ただしく新しい指示を練り始めていた。