複雑・ファジー小説

Re: ANIMA-勇者伝-【9/30更新*お知らせ】 ( No.369 )
日時: 2014/10/05 16:30
名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: m7RL/.Cf)



 あぁ終わった。四つ目を手に入れた。あと三つ、時間をかけてられない、そう思うのだが、どこに秘宝があるのか分からない。さて、困った。
首を捻っていると遠くからグライト達を呼ぶ声が聞こえた。聞き覚えのある声だ。声のする方を見ると、そこに居たのはライガン・ヴェルドーだった。

「グライト! エースに頼まれて情報を伝えに来たぞ!!」

ライガンは元気よく声を張り上げながら走ってくる。相変わらず大きな声で、遠くに居てもビリビリと体が痺れた。リュウは初めて会うライガンの声に思わず耳をふさいだ。

「なんだ? あいつ……」
「ライガン・ヴェルドーさん、サブリアの周辺を一掃しているすごい人だよ。声が大きいけど、悪い人じゃないから」

リュウはそれでも眉をしかめている。
当のライガンはグライトの傍まで走ってきて豪快に笑った。

「久しぶりだな少年!! で、手早く済ませるが、次の秘宝のありかを突き止めた!! どうだ、すごいだろ!」

豪快に笑うライガン。グライトは耳寄りな情報を貰えるとわかり、感謝を告げる。
エースに頼まれて、そう言っていた。やっぱりエース君はいい人だ。今度会うときはゆっくり話したい。そう思いなおし、足元に視線を落とす。

「ん? 少年、元気がないな。俺を見習えよ! まぁいい、そうそう次の秘宝のありかだが……ソリア大陸だ!!」
「ソリア大陸?」
「あぁそうだ。お前の今の実力でなら簡単に辿り着くだろう! ソリア大陸と言うのはダンジョンが多く存在していて、そのダンジョンの一つがなんと守護神の居場所とつながっているそうだ! 細かな特定まではできなかったが、とにかくそこへ行けば秘宝は手に入るだろう!! あ、言っておくが海の向こう側だ、心して航海をするんだな!」

ライガンはそう言ってグライトの肩を力強く叩いた。その力強さにグライトは少しよろめくが、感謝を告げる。
そんな二人にユーノが近づいてきた。

「海の向こう? どうやっていくの、グライト。もうレイさんはいないよ」

そう言ったユーノに、ライガンは「久しぶりだな小娘!」と挨拶をする。

「大丈夫だ、船は俺達の国で用意させてもらった!! 俺達は全力でお前たちを支援しよう! 国王に感謝するんだ、国王がわざわざ船を買って下さったのだからな!」

ライガンはそう言って国へと歩いて行った。その後ろをグライト達は追う。まさか、船までくれるとは、なんだか申し訳ない。ただ、この言葉に甘えないわけにもいかない。頭が上がらないグライト達はそのまま国王へ一度挨拶に行き、深く礼を告げて、船に乗り込んだ。大々的に見送ってくれた国民の人達にも礼を告げ、改めて自分のなすべき事を確認し、覚悟を決めて航海へでた。これから待ち受ける荒波に負けない様、胸を張る。そんなグライトを見てリュウとユーノは気を引き締めた。