複雑・ファジー小説

Re: ANIMA-勇者伝-【10/5更新】 ( No.371 )
日時: 2014/10/05 18:30
名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: m7RL/.Cf)



 しばらく歩くと、道幅もだいぶせまくなってきて、とうとう匍匐前進で進まなければならない場所も出てきた。

「本当にこっちであってるの、リーブル。間違ってたらどうすんの」

グライトは前を優雅に歩くリーブルにそう言って訴えてみるが、リーブルは前へと進むばかりだ。
ムスッとしつつもグライトはここまで来たのだからと文句を呑みこんだ。
しばらく匍匐前進で進むと、今度は広い場所へ出た。

「はぁやっとだよ、大丈夫? ユーノ、リュウ」

グライトは体を伸ばしつつ、後ろからのろのろと出てくる二人を見た。

「体がいてぇ」
「ボクもう無理ぃ……」

二人は散々だと言いたげな様子だった。
三人で体を伸ばすと、さっさと先を歩くリーブルを慌てて追う。薄暗い所だった。
広い道だと言うのになんだか圧迫されるような気持ちだった。

「なんかちょっとさむいね」

ユーノはそう言って腕をさすりながら体を縮ませた。確かに、洞窟の奥に来たからか、なんだか寒いような気がする。
リュウはそんな二人に鞄から取り出した適当な服を渡す。

「ありがとうリュウ」
「ちょっとマシになったかも。その鞄、何でも入ってるね」
「まぁな、船で色々もらったから」

三人はそんな軽い会話をしつつ、前歩を見た。一つの扉の前でリーブルは座っている。

「ここ?」
「にゃあ」

リーブルはとっとと中へ入れとばかりにグライトの足を頭で押す。
グライトは扉に手をかけ、息を飲んだ。石の扉は重々しい音を立てながらゆっくり開いた。