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複雑・ファジー小説
- Re: ANIMA-勇者伝-【10/27更新】 ( No.390 )
- 日時: 2014/10/27 22:45
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: L43yfzZ2)
◆
数分、丁度グライト達が満腹になった頃フィーは現れた。コックの姿と違って今度はフリースのラフな格好をしている。
「待たせた?」
「いや、今食べ終わった所だよ」
「よかったぁ。じゃあさっそく行こうか!」
フィーは元気よくグライト達を先導し始めた。そう言えば一体どこへ行くつもりなのだろうか? 目的地を聞かされていないグライト達はひたすらフィーについて行くしかない。
歩く事数時間、人通りが多い場所から少ない場所へとだんだん近づく。フィー離れているのかあっちこっちにさっさと歩いて行ってしまう。
慌ててついて行く三人。そして、気付けば目の前に一つの扉が見えてきた。アンティーク調のドアノブがついたその扉をノックもせずに開けるフィー。
「ここだよ。遠慮せず、入って!」
フィーの家だろうか? グライト達はとりあえず「おじゃまします」と断り、入って見た。
中へ入るとオレンジの光で照らされた落ち着いた雰囲気の廊下があり、壁に蝋燭が続いていた。変わった家だな、グライト達はそんな印象を抱く。
暫く廊下を進んだ後、フィーは突然紅い扉の前で立ち止まった。ポストの付くその扉に向かってフィーは大きな声で呼びかける。
「おーいカガリさぁん。フィーだよ、料理しにきたよー」
フィーの声は廊下に響いた。しばらくたってから「はぁい、どうぞ」と言う声が扉から聞こえてきた。
「ささ、入るよ、グライト君達。あ、ここの人はアルベラ・カガリって言う作家さんの家だよ。私の料理を楽しみにしてくれている大事なお客様。あんまり騒いだら怒られるけど、何でも知ってる人だから秘宝の事も知ってるんじゃないかな〜。聞いてみたらどう?」
フィーは微笑んで中へ入る。作家、何を書いているのだろうか? 少し緊張しつつグライト達も後に続いた。
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