複雑・ファジー小説
- Re: ANIMA-勇者伝- ( No.5 )
- 日時: 2014/01/25 23:18
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: u/Zf4dZT)
Prologue
全知全能の神が創世したと言われるこの世界「ソレイユ」。とある人物により現在は影の世界となっている。
この世界には不思議な「七つの秘宝」が眠っていると言われていた。その七つをすべて集めた時、その証として神からの授かりものがある。それはこの世界の全ての力を込められていて、不思議な光を放っているらしい。
人々はそれを「ディザイア」とよんだ。この宝石があればまた光ある世界を取り戻せる、そう願った国の国王達はディザイアを手に入れるため、様々な人を使わした。だが、願いは届かず、多くの人間が血を流した。
絶望に支配されるこの世界、人々はとうとう諦め影でひっそり暮らすことにした。
時は流れ人々が繁栄してきた頃、一人の勇敢な「勇者」が現れた。彼は手早く七つの秘宝を集め、神からの授かり物ディザイアを受けとった後、世界を絶望に貶めた人物と戦った。
神の加護を借りその人物を封じ込めた勇者はその後その宝石を海の果てへと封じ込める——再び悪に染まった時、これを取りにくれば力を貸してくれるだろう、そう言い残し勇者は消えていった。
一気に光を取り戻したソレイユ、人々は喚起し、再び太陽を拝みながら日々の暮らしを楽しんでいた。
そして数年、それらが伝説と語られ始めた時、ソレイユに再び脅威が起こる。それは原因不明の大災害だ。
自然現象に逆らおうと人々は苦悶した。だがそんな偉大な力がある者がいるわけでもなく、人々は絶望の淵へと立たされた。
そんなある日ピタリと災害が止む。災害を止めた人物は「アンブラー」という司祭を自称する男だ。
彼は人々に認められ、一国を収める「王」となる。彼、アンブラーは、王となり国を任されるようになったとたん権力を乱用するようになった。ただソレイユの民は彼の横暴を許した。自然をも手中におさめる彼に逆らえる者がいるはずないと決めつけたからだ。
月日が流れ、平和な午後を過ごしている一人の農家の男がいた。休憩をとる男の視界の端にふと入りこんだ「黒い雲」。それはみるみる広がり、ソレイユを半分覆った。男は驚いた。そう、それは昔「影の時代」だったころの黒い雲だった。すぐ情報が入ってきた「グレイト国王アンブラーが封印を解いたらしい」と。
人々は事実、脅威に怯えながら過ごしている。だが希望は残されていた。それは「七つの秘宝」を集め、もう一つの封印——「ディザイア」を解き放つと言う希望だった——。