複雑・ファジー小説
- Re: ANIMA-勇者伝-【オリキャラ募集中】 ( No.78 )
- 日時: 2014/02/09 18:50
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: u/Zf4dZT)
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ソラはクウゴの隣に座らされた。渡されたお椀を持ち、不満顔だ。
何がそんなに気に入らないのか、それはソラ自身でもわかっていない。14歳と言う年齢だ、きっと色々難しい事があるのだろう。クウゴはそう思いながらも先に渡された椀の中身を食べ始める。
「相変わらずうめぇな。グライトも早く戻ってこい、そんなもんほっときゃ治る」
「うん、今行く!」
「勝手な事言わないでください。かなり腫れてるんですから……」
「男は怪我して何ぼだ」
「まったく……」
はぁっとため息を吐きだす。グライトは元気よく戻ってきた。先ほどより赤みが引いただろう。
グライトは渡された昼ごはんを待ってましたとばかりに食べ始めた。
昼食を食べ終わる頃、ミキはソラに質問した。なぜあそこで倒れていたのか? そう尋ねられたソラは言いにくそうにもごもごと口を動かした。
間が空いた。
その間は答えないと言っている様な物だ。
ミキは諦めてこれからどうするのか? という質問にしてみた。
「わからない」
ソラは短くそう言ってきゅっと口を結んだ。
「じゃあいいよ。目的が無いのは俺達も一緒。だから一緒に旅でもしてみない?」
グライトはそう言ってソラを見た。ソラは目を丸くしてグライトを見ている。
「よかったら、だけど。ミキさんの料理はおいしいし、クウゴは強いから安全と食については保証できるよ!」
胸を張ってグライトは手を差し出す。思わずソラは噴き出してしまった。
「それ、お前何にもしてないじゃん……」
初めてみたソラの笑顔にグライトが次に目を丸くする番だった。
それを見てソラは慌ててまた表情を硬くする。そんなソラの慌てたそぶりにグライトはケラケラ笑った。
身支度をしていたミキは後々事情は聞いて行こうと思った。
「二人とも仲直りは済みましたか? じゃあ行きますよ。クウゴさん荷物持ち、手伝ってくれませんか?」
「おーいいぜ」
先に歩きだすクウゴとミキ、それに続いてグライトとソラも歩きだした。
旅の仲間が増えた、この子はどんな子だろう? グライトはそう思い、ほほ笑んだ。
「なに笑ってんだよ」
グライトを見てソラはまたムスッとした表情に戻る。
「やっぱお前のアホみたいな笑顔は嫌いだ」
「俺はソラの笑顔もっと見たいなァ」
「………! うるさいマヌケ面!」
そっぽを向いたソラ。グライトはにまにま笑って「照れてるの?」と尋ねる。ソラはグライトにからかわれカッとなり手を上げるが、グライトにかわされた。
グダグダ言いながらもミキとクウゴの後を続く二人。そんな二人にミキとクウゴは優しい笑顔を向けるのだった。