複雑・ファジー小説

Re: ANIMA-勇者伝-【オリキャラ募集中】 ( No.95 )
日時: 2014/02/14 18:36
名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: u/Zf4dZT)



 中へ入ると「国」と言うより「街」と言う感じだった。グライトは元いた自分の故郷を思い出す。
グライトのいた場所は小さな村だがここと雰囲気が似ていて、それは活気があって穏やかで——そんな事を思っているとライムが飛びついてくる。

「なにぼーっとしてるの? 遊ぼう!」
「何して遊ぶの?」
「鬼ごっこ!」

ライムはそう言って走り出そうとする。そんなライムの頸をクウゴは掴んだ。ライムのとろんとした目はきっとつり上がる。

「なにするの! もう! 離してよ〜!」

駄々をこねるライムを吊り上げてクウゴは聞きたい事があるんだと言った。

「聞きたい事?」

問い返すライムに応えたのはミキだ。ミキは今までの経緯をざっと話し、歴史について、このソレイユの現状についてライムに質問する。
ライムは答えようと口を開けるが、悪戯っ子の様な笑みを向けた。

「鬼ごっこで私を捕まえたら何でも答えてあげるよ〜!」

そう言ってクウゴの手から身軽に逃れたライム。「あっ」と呟いている間もなく、一目散に人の中へ駆けだしていった。それを唖然と見送る四人。ソラは思わず声を漏らす。

「あれが……本当にお前達の探していたライムと言う人なのか? あまりにも子供すぎないか……?」

14歳の少女にそう言われた三人は、何とも言えない表情になった。

「とりあえず、探そう! どうせ色々用事はあるし……用事を済ませつつ探していたら見つかるんじゃないかな?」

グライトの提案に三人は頷き、ライムの駆けて行った市場の方へ歩き出した。いったいどこへいったのか、見当がつかないがきっとひょっこり現れるだろう。そんな軽い気持ちでライムを探し始める。

「とりあえず二手に分かれましょう。僕はクウゴさんと行きますから、グライト君はソラちゃんと探して下さい。その方が効率が良いと思います」

ミキの合図の元、集合場所を大きな図書館前と決めて二組はバラバラに歩きだす。
ミキとクウゴは市場、広場を中心に、グライトとソラは住宅街、他広い場所を中心に探す。
ライムはその様子を物陰から見ていた。クスクスと笑い、とても楽しそうだ。

「速く見つけてねっ」

そう言い残し、また森に馴染むよう姿をくらませた。
こうして五人の鬼ごっこは始まる。ライムを見つけて無事情報を聞き出す事、それが今回の目的になった。