複雑・ファジー小説

Re: 夢みる少女は、黒の階段の上を歩く。【1段、上ったよ。】 ( No.2 )
日時: 2014/03/16 12:01
名前: ハル ◆TLCuAGZ/CY (ID: Aj4Ev7bA)

そら‐ごと【空事・虚言】
 真実でないことば。うそ。
 用例)竹取物語「かくあさましき‐にてありければ」
        「‐を言う」
(広辞苑より、引用。)


Stair_2 僕が君を壊す絵空事。



_嗚呼。僕は何と、醜い仮面を被って居るのだろう……!
 嫌い。キライ。すき。キライ。嫌い…。
 イーゼルの上のキャンパスに、嘘と言う名の絵の具を重ねる。
 空事が、キャンパスの上をあげは蝶の様に。舞う。
 イーゼルの上に、鏡を置いて。自分の顔を、映し出す。
 嗚呼。やっぱり、僕は醜い。どうしようもなく。
 だから、僕は。鏡を粉々に破る、空の絵に明るい紅が重なる。
 生きている。緋が。___



「ねえ。紅葉(くれは)。あたしの話、ちゃんと、聴いてる……?」


当たり前じゃん。何言ってんの。
私、萌苗(もえ)のこと、大好きだもんー。
ははははは。げらげらいつものように。
腹を抱えながら、二人で笑う。


けらけら笑いながら、萌苗の方を叩く。



……うん。ありがとう。
紅葉って、すごく優しいから。あたし大好きだよ。




嗚呼。そんな唐突に。ほんとうの想いを。
さらさらと、口に出す、萌苗を。
わたしは、溜まらなく。愛している。
わたしは、また。ほんとうの想いを。
言葉に出せずに、心の奥の。
奥の引き出しの隅っこに。しまい込んで……
顔を。真っ赤に染める、だけ。



嗚呼。もえ。愛してるよ…?
もえは、私だけのもの。
もう、何処にも、行かないで。
それで居て、私の冷たい空事を。
いつまでも。いつまでも。
温めて、居て。欲しい。



私にとって、萌苗は。光だ。
深い深い海の底でも、灯りを燈してくれる。
大事な、大事な輝き。





__こういうのって、恋愛感情って言うのかな……?






良く、解らない。
でも。声に出したら、光が逃げて行ってしまいそうだから。
私は、嘘に。嘘を重ねて。
ずっと。ずっと。傍に、居る。

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大好きだから、心の奥にしまって置くのは。悪い事……?
怒りで、誰かを傷つけてしまうよりは。ずっと。
ずっと。ずっと。ずっと。素敵な事だと、想うの。
これから先の物語は、あなたの想像にお任せするわ。

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