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水仙【-スイセン-】
有毒成分は、ニコリンとシュウ酸カルシウムなど。鱗茎に特に、多く含まれる。スイセンの致死量は、10ｇ。中毒は、初期に嘔吐の症状が出る為、重篤な症状に至る事は極稀である。鱗茎を浅葱（あさつき・ネギ）と間違えて、死亡した例がある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ウィキペディアより、引用＆修正。]
　


＿＿あなたは、真夜中に咲き誇る、紅い朱い香蓮な華をご存じ……？
　　その花には、くれぐれも。ご注意をば。
　　珍しい美しさには、とてつも無い魔力を持つのですから。＿＿




Ｓｔａｉｒ＿９　毒紅花に、犯されて…？［*閲覧注意］




水仙……？この花は水仙なのだろうか。
でも、明らかに歪な色をしている。
普通の水仙は、白か黄色なはずなのだ。
それなのに、この水仙は。紅い。
気色の悪い程に、紅い朱い赤い。
それに加えて。真夜中に咲き誇るのだ。
山の奥深く。誰にも、人目のつかない。
そんな場所に。輝いて居る。ぎらぎらと。
蛍光色を塗り付けたみたいに。
昼間に溜めていた、光を。
解き放つのだ。嗚呼。気持ち悪い。
こんな事を、知っているのは。俺だけだろう。
誰にも、話さない。何故だか、解らないけど。
ひどく、恐ろしいので。話さない方が良いと判断した。
その判断は、間違って居なかったと、想う。
そんな事を、今更言っても。手遅れかも知れないが。


「大量の死体が、発見されました。
　死因は、ニコリンとシュウ酸カルシウムによる、
　中毒死だと思われます。ただいま＊＊日＊＊時＊＊分時点……」


テレビを付けると、忙しなく同じニュースばかりをしている。
煩い。結局、何なんだ。どうでも良い。どうでも良い。
そんな事を、想いながら、ＰＣを開く。検索を掛けてみる。
……スイセン？ニコリンとシュウ酸カルシウム。確かに、合致する。
まさか。まさか。あの、夜中に見た奴なのか。


急いで、合羽と長靴を取り出す。
今日は、朝から大雨なのだ。山に行くには危ない。
それでも、行かなければならない。と想った。


険しい山道を、ひとりで登る。
びしゃん。びちゃん。びしゃん。ぴちゃん。
雨脚は、強まるばかりだ。足元は、泥だらけ。
べちゃん。ぴちゃん。べしゃん。
それでも、歩く。それでも、歩く。
昨日見た、あの場所はかなり山奥だ。
素人が、入れるような場所じゃない。
山歩きに手馴れている俺でさえも、辛い。
だから。誰にも、見つかる訳が無いのだ。
そんなはずが。無いのだ。
だんだん、事の重大さが、圧し掛かって。
冷汗が、止まらない。大丈夫だ。
そんなはず無い。俺は、誰にも話していない。




＿＿やっと。辿り着いた。



びしゃん。びしゃん。びしゃん。
嗚呼。紅い水仙は、根こそぎ消えて無くなって居た。
ぴしゃん。ぴしゃん。ぴしゃん。
嗚呼。この雨のように、泣きたいなあ……？
結局、話は迷宮入りだ。

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ぐおおおおおおおおおお。
何か、結局暗いな（号泣）
描いてて、ぞっとしてます…
そうです。作者は怖がりなのです←
ああ。こえええええ。
すんません。耐えきれなくなるので。
次は、明るめ行きます。はい。