複雑・ファジー小説

Re: 夢みる少女は、黒の階段の上を歩く。【9段、のぼったよ。】 ( No.49 )
日時: 2014/03/21 20:55
名前: 羽瑠 ◆oEryf/uxzI (ID: Aj4Ev7bA)

参照500突破記念。
連載小説「猛獣の瞳のさきには。」との連動企画第4弾。
毎日、愛読してくださる皆様に。めいいっぱいの感謝を込めて。

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__一面は、火達磨と化していた。
  嗚呼。私も、もうそろそろ。消えるのかなあ……?
  そうなんだろうな。息も、苦しくなって来て。
  もくもくと。優しい煙が、私の周りを支配して。
  泣きたくなる。笑いたくなる。可笑しくなる。
  安らかに、眠りに就けるのならば。それでも良いのかもしれない。
  それを、望んで。臨んで。望んで。今までを、生きて来た。__




Stair_12 火の海で謳う。我が、妹。




謳う事が、だいすきだった。
12歳の頃に、想い切ってオーディションに出た。
才能を、認められ。メジャーデビューする事になった。
嬉しかった。こんなに、早く決まるなんて。想ってもみなくて。
家族も、友達も。まるで、自分の事のように祝福してくれた。
正直、嬉しいよりも。不安の方が、積み重なって行って。
新しい事は、いつまでも。怖い。寂しい。辛い。
良く、解らない。選ばれた事は、きっと。凄い事なんだとは想う。
でも、実感が湧かない。今まで、ずっと普通だったから。
いつも通り、公立の学校へ行って。家族とご飯を食べて。
部活をして。仲の良いお友達と遊んで。当たり前の。
ほんとうに、当たり前の。毎日。
それが、無くなると言う事なのだと想う。
幼ながら、そういう事なんだろうと、想った。
それが、怖い。とてつもなく。こわい。
お金は、稼げるようには為りたい。
でも、知らない人に。いろいろと評価を付けられて。
批判とかも、ばんばん受けて。それでも、にこにこと笑って。
途方に暮れるような、努力を。続けて。続けて。やり続けて。
そんな事が、私には。出来るのだろうか……?
自信が、無い。限りなく。自信が。無い。
何もかもが、解らない。でも、謳う事が大好きだ。
誰よりも、大好きだ。それだけは、一生揺ぐ事の無い“真実”。


唄う才能が、在っても。売れない人なんか、山ほど。存在する。
私は、恵まれている。運が、良かった。でも、でも。
自信が、無い。学校へ行って。唄を謳って。
そんなに器用な事が、出来るとは到底。想えない。
不器用なのだ。ひとつの事に没頭すると、周りが見えなくなる。
誰かに、傷付けられると。すぐ、泣いてしまう。
心は、あまり強い方では。無いと想う。
悔しいけど。苦しいけど。それでも、唄が好きだ。
溜まらなく好きなのだ。苦しくても。傷付いても。進むしか、無い。


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「12歳の頃に、鮮烈なデビューを遂げた、小鳥遊 鎖羅(たかなし さら)さんです。」


ぱちぱちぱちぱちぱちぱち。
観客の拍手が、鳴り止まない。
私は、10年経った今も。舞台の上で、唄を謳い続けている。
氷上のうえで、さえずり続ける小鳥さん。そんなゆるい感じで。
ありがとう。皆。10年前に、決意した事は。今も。
私の心のなかで。脈々と、生き続けて居る。
死ぬまで。私は。皆の意志を、伝え続ける使命が在るから。
だから。枯れるまで、謳い続けるよ……?
いつまでも。皆を、信じて。明日のヒカリを信じて。

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はい。すいません。
かなり無理やり繋げました←
気にしないでください。はい。