複雑・ファジー小説

Re: 夢みる少女は、黒の階段の上を歩く。【14段、のぼったよ。】 ( No.51 )
日時: 2014/03/21 11:53
名前: 羽瑠 ◆oEryf/uxzI (ID: Aj4Ev7bA)

__ずっと。ずっと。ずっと。
  昏々と。こんこんと。滾々と。
  眠り続けて。居座り続けて。
  気が付けば、居るのは。海の底。
  ぷくぷく。ぶくぶく。ふわふわ。
  ゆらゆら。ふらふら。きらきら。
  今日も、泡が雪の結晶へと。変わり。
  涙が、希望の闇へと。変化する。__



Stair_15 眠れない、森の姫へと告ぐ。



嗚呼。今日も、眠ってしまった。
深い深い森のなかで。ただ。ひとり。
森のなかはいつまでも。温かい。
少し、日差しは入りずらいけれども。
おっきな大木さんたちが。
いつも。いつまでも。私を見守って居てくれていて。
寂しくは、無い。仲良しの小鳥さんも居るし。
可愛らしいりすさんも、遊びに来てくれる。
夜には、ももんがさんもやってきてくれて。
冬の日は、トナカイさんが。お家まで連れて行ってくれる。
春は、猫さんと一緒に日向ぼっこをして。
夏は、からすさんと一緒に。水浴びをして。
秋は、オウムさんといろいろなお話をして。
楽しい。とっても、楽しい。嬉しい。しあわせ。
でも。最近、何故だか。どうしようも無く。眠い。
ねむい、ねむい。眠い。ねむい。
うとうとと、ふらふらと。
気が付けば、眠りの魔法に駆けられて。
眠りの森の姫ぎみは。不思議な、夢に魅せられて。




《……あやめさま。菖蒲お嬢さま。また、今日も陽が暮れてしまいますよ?》



うそん。まじかあ。そんな、よてい、じゃ。
オウムさんの声に、反応して。がばりと、起き上がる。
一応、重たい頭を持ち上げてみるものの。
睡魔は、私を逃してはくれない。困った。困った。
嗚呼。夕飯の支度をしなければ。お洗濯だって。
今日、やりたかったんけどな。川までは遠いし。
嗚呼。どうしよう。眠いよお。
まあ、いっか。明日は、あしたの。風が吹く。


鼻唄を、口ずさみながら。
るるるるるん。ららららららん。
そうやって、今日も。森のなかで。
最高のひとときをば。

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アヤメの花言葉:良き便り。嬉しい便り。吉報。愛。
        あなたを大切にします。私は、燃えている。
        消息。