複雑・ファジー小説

Re: 夢みる少女は、黒の階段の上を歩く。【34段、のぼったよ。】 ( No.80 )
日時: 2014/04/22 08:23
名前: 羽瑠 ◆hjAE94JkIU (ID: xVgmFESq)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

__雪のなかに埋もれた、ゆめを見た。
  とても冷たいはずなのに。何故だか。
  震えるほどに、温かくって。笑った。
  おおきくわらって。ちいさくないて。
  きっと。きっと。きっと。雪はゆめの中。
  現実は苦しいけれども。その温かささえ在れば。
  なんとなく。今を生きていける気がした。__




Stair_43 雪に埋もれた、涙の夢のなかで。




哭いた。鳴いた。啼いた。泣いた。
別れはいつまで経っても、寂しい。苦しい。
そんな事を何度も呟いても。きっと。きっと。
別れは、あたしの前をいとも容易く追い抜いて。
おおきく、わらうんだ。嗚呼。だから、だいっきらい。
いっつも。あたしを苦しめて。きっと。きっと。
桜が舞い散るように。あたしの目の前を通り過ぎて。
朝緋が昇るように。今日も、あたしを照らし続けて。
紅葉が散り逝くように。明日も。哀しさを煽って。
夕陽が暮れるように。昨日も、寂しさを助長して。
嗚呼。あーあ。嗚呼。ああ。ばかにするな。
あたしはそんなに強くないんだ。きみもそんなに明るくないんだ。
そんな当たり前の事を呟いて。今日も。きょうも。今日も。
でも、鳴かないって。決めたんだ。何も言わない。
だから、その代わりにでも。おっきく手を振って。
さようならって。今日もありがとうって。
またあしたあおうって。あさってもあおうって。
無駄に為るって決まっている約束事を。今日も。
何度も、呟いて。だって。却れられないから。
きみの残像がいつまでも。あたしの陰を追いかけて。
離れないんだよ。いつまでも。だから。だから。だから。
おっきく手を振って。ありがとう、って。
精一杯の愛をありがとうって。
めいいっぱいの優しさをありがとうって。
叫ぶ事しか、出来ないんだ。あたしには。
拙くても。きみに、伝えたい事が逢ったのに。
苦しくても。きみに、聴いてほしい事が遇ったのに。
あーあ。だから。また今度ね。また、こんど。
あたしは、いつまでたっても。此処で待ってるから。
首をながくして。待って居るから。だから。
そんなあたしを見つめて。おおきく笑ってくれれば。
それだけで、あたしは。しあわせものだ。





*ゆびきりげんまん。一生のおねがいごと。
 きみにも、あたしにも。しあわせの碧い鳥が。
 この指に留まってくれますように。
 どうか。どうか。どうか。永遠のやくそくを。
 此処で、交わそう……?そして。また。
 出逢える日まで。駈け抜けるんだよ。
 青いあおい葵い碧い春の夜道を……?*


あしたは。晴れるといいな。