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thirdstory—Informer—


—————くるくるくる
—————歯車は廻る

—————くるくるくる
—————運命も廻る


—————くるくるくる
————— 人は廻される


—————くるくるくる
—————世界は廻る


—————くるくるくる…………




そんなmelodyを口ずさむ者がいた。
poemのようでもあり、音楽のようでもあり。
どことなく不思議な詩であった。

闇にまぎれ、自分も詩のようにくるくる廻る。
その者の姿は、目をうたがうくらい、突飛であった。

白い法衣に艶やかな黒髪。
両腕に繋がれた重々しい鎖。
素顔は白い紙。
無邪気な子供のような姿。




それが、凪や嵜に情報を授けている情報屋、『廻間』。





性別年齢ともに不明。
素顔を見たものはおらず、おまけに変人。
間違いなく、【不審者】だろう。
だが本人は気にせず、街中を歩く。
『楽しいから』歩く。



——————ケ・セラ・セラ




そう呟く。
確か、「なるようになれ」という意味だった気がする。
どこの言語かは忘れてしまったが。




「くすくすくす……………みーっけちゃった♪」




何を見つけたかというと、殺人者のことである。
凪と嵜の目標を見つけるのは廻間の仕事らしい。
それを教え、始末する。
だいたいこのローテーションである。

「今日のお仕事…………決まったみたいだヨ……………くすくすくす…………」


含み笑いを漏らしつつ、廻間は路地裏へ姿を消した。