複雑・ファジー小説
- Re: Это убивает【5/23過去編更新】 ( No.106 )
- 日時: 2014/05/29 19:17
- 名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: IvmJM/UO)
「…………まずね、単刀直入に言う。僕と君は双子だ」
そう『ハザマ』は何気ない顔で話始めた。
(以下、ハザマ視点)
————————そして、僕は凪と嵜の兄にあたる。まあそうなると君もあの二人とは血が繋がってることになるね。
でもなにか引っかかる。当然のように思うわけだけど。
まあその話から紐解いていこうか。
渚夫妻は結婚してすぐ、子供を産みました。つまり僕達だ。
そっからは幸せな日々を過ごしていたんだ。
ただ、君を除いてはね。
君は産まれてすぐに、先天性の病気であることが疑われた。
疑われた理由は、知りゃしないが、とにかく君はそれを隠すために孤児院に引き取られたんだ。
まあ先天性の病気ってのは、一部の連中がついた嘘なんだけどね。
夫妻はどうしたって?
うーん、これは言ってもいいのか分からないけど、一応話しとくよ。
夫妻は君が生まれたことを知らないのさ。
って、そ、そんなしょげないでよ!
これにも理由はあるんだから!
……………僕らが生まれた時、いや生まれる直前か。
母親は痛みがピークにきて気絶してしまった。
父親は外でただ祈るばかり。
ただその父親も疲労とストレスで倒れてしまったけどね。
そんな中で僕らは生まれた。
んで、一部の連中が僕らを調べて、君の方を生まれてこなかった設定にし、そのあとで目が覚めた夫妻に、僕の方を長男として差し出した。
でもなにか引っかかるだろう?
超音波検査で普通双子だって知らせるだろうってさ。
それも、一部の連中の偽造さ。
まるで腹にいるのは一人だけのように、偽造したのさ。
あははは、そう考えるとホント残酷だよね運命ってさ!
人の悪の心だけで、簡単に捻じ曲げられるんだもんねえ!
ってそんな冷たい視線送らないでよ。
心が痛むじゃないか。
(コホン)まあ話を続けよう。
孤児院に引き取られた君のその後のことは殆ど聞いてないけど、話によると安齋に引き取られたらしいじゃないか。
渚グループの分家で、利益を横取りしようとするわるーい企業。
そんな所に引き取られるなんて、災難だったねぇ君。
で、どうされたの?やっぱり財閥争いとかに巻き込まれたり?
……………だろうと思ったよ。
そういう話、なんかあったってのは聞いてたからね。
それにしてもさ、君は不運なのか幸運なのか良く分からない人生送ってるよね。
存在が無かった事になったり、かと思えば安齋に引き取られて名前をもらったり、でも財閥争いとかに巻き込まれたり…………
ホント、波乱万丈だね。
僕の方はどうかって?
……………安齋にいるけど何か?
へへ、驚いた?
実は僕も、どうやら使用人に捨てられたみたいでね。
っていうか両親にも捨てられちゃったんだ。
『とてもじゃないけど、PSYCHOPATH(サイコパス)は育てられない』ってさ。
あっ、構えないで!『君は』殺さないから!!
座ってとにかく座って!話はまだ続いてるんだから!
ふう…………話を戻そうか。
僕は何年か前に人を殺していてね。
一人じゃない、何人も殺した。
その時の血は気持ち良かったよ。
ぬるぬるしてて、どこまでも朱は深くて。
美味しかったなぁ。
察しているだろうけど、さっきも殺してきたんだ。
首から血が噴水のように吹き出してさ、しかも気持ち悪いぐらいぬるぬるしてた!
それにやっぱり美味しかった!!!
ああ、人を殺すっていいね。
最高の瞬間だよ!!!
…………こんなんだから捨てられちゃったんだー。
それで家の周りふらついてたら、安齋に見つかって引き取られて。
それで今に至るって感じかな。
というよりさ、君その顔につけてる紙とらないの?
きーっと、僕みたいに顔整ってると思うのに。
えいやっ(べっ)
……………うん、気持ち悪いほど僕にそっくり!!
ってごめん!ごめんって!お願いだからホールド掛けないでギブギブ!!
ぷはっ!!はあ、はあ、はあ…………し、死ぬかと思った………
ま、まあそれはおいといて。
今月中に、何か面白いことを起こそうと計画してるんだ。
それがいつ起きるのかは、お楽しみにね♪
もしかしたら明日かもしれないし、十日後かもしれない。
とにかく、楽しみに待っててよ。
それじゃ、僕はもう行くね?
お休み、『廻間』。