複雑・ファジー小説
- Re: Это убивает【6/4本編更新】 ( No.112 )
- 日時: 2014/06/11 22:06
- 名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: CymMgkXO)
嵜の過去編
(凪目線)
「今日は椅子だけとかまだ優しい方だよねーっ!」
「あははは!!」
小学生、中学年の頃。
嵜はいわゆる「いじめ」に巻き込まれた。
いじめる理由などくそくらえだが、とにかくいじめられていた。
俺も、この状況には気付いていたんだが………
教師は見ぬ振りをしてるし、学校側も目を瞑っていたので、いくら弁論しようが『子供の戯言』というようにしか捉えてもらえなかった。
いじめてた奴らは多分、『やりやすそうだったから』やったんであろうと、今思う。
なんせ、『影薄い・物静か・他者との関わりがあまりない』の三拍子と来たもんだ。
下らないと思って止めようとしても、学校側が全否定するので、手の出しようがなかった。
「じゃあねーキャハハハハ!」
「明日休まないでよぉー?あっはは!!」
そういって、教室を去っていったらしい。
その日やられたいじめは、『椅子を窓から投げ捨てられる』という類のものだった。
「………………」
嵜は何も言わず、そして表情を変えず、椅子を拾ってきて元の位置に戻したらしい。
して、いいつも通り帰る準備をして、帰宅した。
「ただいま」
嵜が帰ってきたのはその日は大体午後四時半。
普通の小学生の帰宅時間としては、少し遅い。
至る所には擦り傷や切り傷といったものが、絶えなかった。
「おか——————ってどうしたのさその傷!」
出迎えた廻間が、嵜をみて驚愕する。
「どうしたんだって、うわあ」
俺も廻間の声に驚いて玄関口に行く。
そこで嵜の生傷の多さにまた驚く。
嵜はそんな俺達に小首をかしげ
「別に。何もない」
と言い放ち、自室に戻った。
俺達はその様子にただただ驚くだけであった。
すると途端に廻間が俺に聞いてきた。
「ねえ………嵜なんかあるよね、絶対」
「お前も気付いてたのか」
「まあ、そりゃあ。薄々、ね」
ふう、と息を漏らす廻間。
そしてさらにぐいっと俺に問いかけた。
「いじめ、だよね。アレ」
そうぐいぐい顔を俺に近づける。
それを払い除けながら
「いじめ以外に何があるってんだ」
と返してやった。その言葉を聞き、廻間は腕を組みながらリビング—————といってもホールだが——————へと戻っていった。
もちろん俺だって戻った。
こういう時の廻間の推理は——————怖いんだ。
外れて怖いのかって?いやいや
『当たりすぎて』、『怖い』のさ
眠いのでここで切ります。