複雑・ファジー小説
- Re: Это убивает【6/25凪過去編更新】 ( No.116 )
- 日時: 2014/06/30 21:43
- 名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: CymMgkXO)
- 参照: http://planetmeteos.com/index.html
廻間過去編
敵は、いくらでもいる。
僕の利益を狙う者、命を狙う者、それこそ分家の渚を潰そうとする者も。
ロクなことをしてないくせに、僕には渚へのスパイやらなんやらをおしつける。
そして何れは僕をこの腐りきった安齋の頂点に立たせようとする。
僕はそんな家が大嫌いだった。
堅苦しい生活、嫌がらせとも思える仕事、挙句の果てには保証人。
安齋は腐りきっていた。
それも、根っから。
いくら渚の分家といえども、やはり屑が集まり組んだ徒党にしか過ぎなかった。
僕はそんな安齋を脱退した。
「廻間様、ご夕食の準備ができました」
僕がまだ10十にもみたないあそ頃。
その時の安齋はまあまだ普通だった。
何もしなくとも豪華な料理が出てきて、お金持ちがやるような英才教育も叩き込まれて、あとは一日中遊んでられて。
家には優しいじいやや、頼りになる人達も沢山いた。
たまに暇ができると、僕の遊び相手にもなってくれた。
その時は自覚してなかったけど、本当に幸せだった。
僕が十二の階段を登った時までは。
十二の誕生日、数え年で十三のころ。
すぐさま僕を渚のスパイとして送り込もうという話が持ち上がった。
当時は渚に関してはあやふやにしか覚えてなかったから、その仕事は引き受けたけど。
でも、二回目のスパイの時は、一発殴ってやろうかと思ったほどイラついた。
スパイをして、渚息子と令嬢を殺しにいけと、命令されたんだ。
スパイだけならまだいい。
だが、渚息子と令嬢を殺害しろ?
そんなこと、出来るはずがない。
でも逆らって何されるかわからないから、とりあえず引き受けた。
殺しなんて真似はしたくなかったから、いざという時のための救急箱を乗っけて、僕は渚邸に向かった。
出掛けたのが夕方として、そのまま車に揺られてはや二時間。
あたりはとっぷりと暮れていた。
車から降りて、前を見るとそこにはこれでもかというぐらいのデカさの家。げ厳格な門がその口を閉ざしていて、まるで侵入者を拒んでいる雰囲気だった。
僕は思わず手が震えた。
人なんて殺せない。
でも、命令だから『殺す』しかない。
僕はそんな気持ちが入り混じるのを耐えつつ、お得意の忍で侵入を始めた。