複雑・ファジー小説

Re: Это убивает(広報部部員募集) ( No.4 )
日時: 2014/03/06 15:56
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: ZgzIiRON)
参照: http://subtlestyle.net/en-1/index.html

firststory—Is a murderous fiend a person?—


「そっちは?」
「終わった。呆気なくな」
「ふうん。こっちも死亡を確認。」
「了解。今日の仕事は終わりだな」

闇に黒い影が二つ。
二丁銃と刀。
そして、死体が幾つか。

それが『目の前の光景』であった。


二つの黒い影は、颯爽と風を作り去っていった。





【桜庭市】

桜庭(オウテイ)市—————そこは、静かで過ごしやすい街だと言われている。
日のあたりもよく、一年中快適に過ごせる。
そんな桜庭市に、凪と嵜は住んでいた。

何時もの登校時間がくる。

朝の坂道は、重々しく登る生徒や、軽い足取りで登る生徒で埋め尽くされていた。
きょうは週はじめの登校日。
そう、月曜日だ。

「おはよー凪!」
「ああ、一ノ宮か。おはよう」

とある場所では、一ノ宮と言う生徒と凪が登校していた。
一ノ宮の挨拶に眠そうに答える凪。

一ノ宮というのは、桜庭高校広報部部長、一ノ宮鬨(イチノミヤトキ)のことだ。
なんに対しても全力投球で、一度やりだすととまらない、ある意味厄介な人物。
そんな彼女の目標は、今巷で噂になっている『殺人鬼』の正体を突き止めること。
部員も乗り気で、殺人鬼についての情報を片っ端から集めている。


『殺人鬼』といっても、普通の殺人鬼ではない。
他の殺人鬼とは違う点があるからだ。
それは——————


『殺人鬼だけを殺す』というもので。



一般人には決して手を加えないというのが特徴的な殺人鬼。
昔の日本でいう、『義賊』みたいなものだ。
だが、それにも関わらず、指名手配をされてないというのも、妙な話だが。

しかしその殺人鬼の正体は、意外と一ノ宮の近くにいたりする。
お分かりだろうが、そう凪と嵜だ。
真意は未だに不明だが、二人がその正体というのは確かな事実。
一ノ宮はそれを知る事はない。


「あれー?凪、いつも一緒の嵜は?」
「今日は休みだってさ」
「へえー…………」


一ノ宮は、人に話せない秘密を胸の内に秘めている。
実は、一ノ宮は凪に対し好意を持っている。
大方の理由は『一目惚れ』というもので。
嵜が休みだということに、表面上は普通に返していたが、内心はガッツポーズをとっているのだろう。
嵜が、いつも凪の隣にいるからだ。

「(よっしゃー!凪の隣は今日限定だろうけど私のだー!)」

彼女はそう思いながら、凪と一緒に登校した。
だが凪は、女子と登校すること自体、いつものことなので、普通に教室へ向かった。