複雑・ファジー小説

Re: Это убивает【オリキャラ募集】 ( No.53 )
日時: 2014/05/02 18:18
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: EqqRo75U)
参照: http://subtlestyle.net/en-1/index.html






「…………………おい」
「んー?」
「隠れ家ってここかよ?」
「そだけど何か」
「いや……………ここ俺んちじゃねえか!!」
「ホントだあー!」
「甘いぞ少年!ここは今では安斎でも渚のものでもない!」
「はあ?」


2人を抱えた廻間は、その例の『隠れ家』にやってきた。
その隠れ家というのは、なんと渚家が所持していた『別荘』だった。
だが、安斎が離れる際渚から所有権をもらい、安斎のものとなっていたのだが。
その安斎が、例によってこの別荘を手放したのである。
現在では渚が持っているのだが、トップ2人が亡き今では、完全に売りに出されている…………というような状況であった。
まあ買い手がおらず、廃墟のようになっているが。
ただここを住処にする、という点ではうってつけかもしれない。
「今日からここが新しい家だよーん」
「………………」
楽しげに廻間はそういって、蹴りで扉を開け中に入る。
中はそんなに荒れてもおらず、意外にも綺麗であった。
普通掃除もしなければどんな豪華な家であっても、『汚部屋』になっている筈なのだが…………
どうやら、廻間が渚家のほうに折り入って掃除を頼んだらしい。
因みに元々は、廻間の新しい住居にするために、ここを確保していたらしい。

「おい廻間。」
「何?」
「家あってもよ………金は?どうするんだ?まさか盗みとかしないだろうな。」
その最もな言葉に廻間はきょとんとし、暫くした後、笑い始めた。
「ハハハハハハ!!大丈夫、金庫なら持ってきたからさ!あとは元々ここにある金庫の中にあるお金で、充分生きてけるよ」
胸を張って言う。
そんな態度に凪は呆れたような安心したような顔を浮かべた。
「まったく……………ホントに何歳だよお前は」
「えー?これでも14。」

その言葉に凪は固まった。

「ちゅ、中学2年!?」
「そ、まだ君達と10離れてるだけー」
凪は流石に驚きを隠せなかった。
嵜は嵜で、手をブラつかせている。
「というより、君たちみたいなしっかりした園児初めて見たよ。まだ4歳でしょ?」
「ああ…………まあ」
この双子が後に、無表情の殺人鬼になろうとは、誰が思っただろうか。
「もう少しゆるーりと行こうよ。しっかりしすぎてもダメだよー」
廻間がのんきにそういった。
廻間は気付いていたのだろう。凪の精神があまりにもしっかりし過ぎていて、『泣く』ということができないこと、周りに頼れない事を。
それを察してのこの言葉はあるいみ凪にとってはありがた迷惑なのかもしれないが。
「………………」
うつむく凪。
「凪兄?どうしたの?」
嵜はそんな凪を不思議そうに見る。
「(これで少しは肩の力が抜けるといいけど)」
廻間は凪を見つつ、そんなことを思う。
が、凪は逆にワナワナと震え始めた。
それにぎょっとなる廻間。
「(え、何?ヤバかった!?)」
とたんに慌て始める。
凪の震えは止まらず、口がパクパク動く。

「い…………い………………」
何かをいい始める。
「(胃!?お腹が痛いとか!?)」
「凪兄!?どうした————」
の、と嵜が言おうとしたところで、ついに凪が叫んだ。



「いい加減とっとと下ろせこの紙野郎があああああああああ!!!」



続く