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複雑・ファジー小説
- Re: 朱は天を染めて ( No.10 )
- 日時: 2014/03/07 21:43
- 名前: Frill (ID: HW2KSCh3)
第八話 それでも彼女はやって来る・後編
朱天童子・朱羅の火炎で焼き尽くされた茨姫童子・瑠華。大地に灰となった彼女の欠片がある。そこから植物の芽がピョロリと顔を出した。
その芽が驚くべき速さで成長し無数の茨が形成される。そしてその茨が人の形を成し、桜色の髪のツインテールの少女になった。
パチクリと大きな瞳で瞬きし、辺りを見回す。その先で朱羅を見つけると大きな声で文句を言う瑠華。
「おいっ!朱天童子!!あたしが恰好良く必殺技を披露しようとしたのにいきなり燃やすな!ずるいぞ!おかげで一度死んだじゃないか!!滅茶苦茶熱かったぞ!!」
文句を垂れる瑠華に面倒臭そうに頭を掻く朱羅。
「勝負しろって言ったのはお前だぜ。何ならもう一度やるか?」
朱羅が再び戦うのかと聞くと瑠華は突然神妙な顔になった。
「・・・いや、もういい。多分、今のあたしでは何度闘ってもお前には勝てないだろう」
顔を伏せ、拳を強く握り締めフルフルと震える瑠華。
そして何か意を決した様な顔になり拳を天に高く突き上げる。
「・・・あたしは更なる高みを目指さなければならない!決めた!修行だ!!修行をするしかない!!!」
くるりと朱羅に向き直りその身体ごと頭を地面に派手に叩きつける。
土下座だ。
瑠華は地面に頭を擦り付け、力の限り懇願しながら土下座する。
「あたしを弟子にしてくれ!朱天童子!いや、師匠!!」
突然のことに朱羅は面倒だなと思いつつも何とかなるだろうと適当に判断し、返事をする。
「別に構わないぜ」
朱羅の快い即決の返事に瑠華は嬉しさを体全体で表現し倒立土下座になる。
「し、師匠・・・!!あぁりがとぉおございまぁぁあすうぅ!!!」
この日、朱天童子に一人の弟子が出来た。
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