複雑・ファジー小説
- Re: 【完結】A Corpes Lover - 花の死体 ( No.6 )
- 日時: 2014/03/22 11:59
- 名前: 午時葵 ◆9ccBFQYMG2 (ID: nRHlsEri)
【Special thanks 】
" The Flower Of Romance " と、その著者である本橋牛乳氏。
それから、かの作品を紹介、掲載されたTalking Heads-No.42『特集:ドールホリック 機械仕掛けの花嫁を探して』に携わった全ての方々に、深く感謝を申し上げます。
そして、的確な質問で作品設定の深化を手伝って下さいました唯柚氏に、感謝の意を。
【参考文献】
新潮文庫:NHK取材班「被曝治療83日間の記録〜東海村臨界事故〜」
アトリエサード:トーキングヘッズ叢書No.42 特集:ドールホリック 機械仕掛けの花嫁を探して
花言葉辞典:哀しい花言葉
【あとがき】
はい、どうも。
お気付きの方はお気付きでしょうが、細かいことは別所にてお問い合わせください。
午時葵です。
Special thanksの欄にも書きましたが、この話は本橋牛乳氏の" The Flower Of Romance "をフューチャーしつつ創作させて頂いたお話です。
どこかで見たことある、読んだことある、そんな事を感じた方、それが上記作品でしたら間違いありません。 別の作品でしたら盗作ではありませんとだけ言っておきます。
普段は別名義で、好きなことを好きなように書いています。
タイトルだけ見ると、この話もそんな感じなんじゃないか、なんて思われるかもしれません。
ですが、本作は、自分にしては相当入念に資料を眺め、考えに思いを巡らせた作品だと思っています。
その過程でお世話になりました唯柚氏、どうもありがとうございます。
書き出しの一文目から、最後の最後まで出てくる「花の死体」という言葉が、このお話の重要なキーワードであることは間違いないと思われます。
そしてその花を殺すこと、死んでしまった花を愛すること。
自分達が普段何気なく眺めている切花は、ヒトに例えると、何とも無残な姿だな、なんて。
前出のThe Frower of romanceに登場する『彼女』の台詞に「切花は花の死体だから」というのがありまして、その台詞が、この話を書こうと思った契機でもあります。
更に上記作品中でも、やはり放射線が出てくるのですが、それについていくつか此処で書いておきたいことがあります。
参考文献の欄に書かせていただいた東海村臨界事故にて。
被爆者の看護に当たった医師が「最後まで動く心臓が憎い」と零したそうです。
人体の中で唯一心臓だけが、放射線に影響されること無く、正常に機能するそうな。
皮膚が焼け落ちて、臓器が溶けて、細胞レベルからズタズタに破壊されているのに、心臓だけは正常なのだそう。
その苦しみに苛まれた患者さん、担当された医師やその他多くの方々には、又聞きしただけの自分から知ったような事は書きません。 深くお悔やみだけを書かせていただきます。
本作中の『彼女』も、自分が放射線に侵され、自身もその放射線を発する状態になってしまっている。
でも、生きているのは、上記の様な理由からの設定です。
放射線が遺伝子情報を破壊する、例えば僅かな損傷でも、それは生物進化、成長において多大な影響を与える。
だからこそ、『彼女』の触れた土の上で育った種は、他の花では及ばない魅力を持った。そんな設定です。
それでも、この作品は決して哀しいお話ではありません。
『彼女』は、自分と同じように放射線に破壊された花を愛し、花に自分を重ねることで、『死』を受け入れようとする。
メメント・モリ的な思想で、死を浄化、美化しよう。 そうすることで受け入れていこう。 だから死んでしまっても悲しまないでね、忘れてしまわないでね、ずっと愛していてね。
そんな事が、書けていたらな、なんて思います。
しかし。
昨今、死にたがりが増える我が国ですが、そういった人々を正当化、推奨、擁護するつもりは毛頭ありません。
むしろ否定させて頂きます。
嫌なことから逃げ出す為に、死んでしまおう、なんて考える方は、死を受け入れるしかないけれども、それまでにできることを精一杯やっていこうとされる方を冒涜していると自分は思います。
だから、そういった方に対して、啓発的なお話が書けていればな、なんて希望を、ここに書かせていただきます。
今回使わせて頂いたハンドルネーム『午時葵』には「明日わたしは死ぬだろう」と言う意味の花言葉があります。
「あした私は死ぬだろう」だけれども……と言う視点で、もう一度作品の本文をお読みいただけたらな、などと思います。
では、長くなりましたが、ここまでお付き合いくださいました方々、どうもありがとうございました。
