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複雑・ファジー小説
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【女神の試練編】 ( No.172 )
- 日時: 2017/10/02 09:10
- 名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: 7hzPD9qX)
このまま悠長に仲間たちとビクともしない頑丈な扉と押し合いっこしている場合ではない。一刻も早く此処から出て、メシアの真実なる歴史というものを知りたいのだ。
世界を我が物にしようとしているバーナード。奴の手元に囚われたままになっている最愛の妹 ヨナ。
いつまでバーナードがヨナに危害をくわえないか分からない。ヨナはの無事はどこまで保証されるのか分からない。
だから気が焦る。そして人は焦ると正常な判断が出来ないという。
棺を開ける-
”そうだ。その棺を開けるのだ”
他に無造作に並べてある棺と比べて怪しくひときわ大きい棺の前に立つのまた謎の声が頭の中に直接語りかける。
敵なのか、味方なのか、も分からない謎の声。
でもこの状況を打破するにはこの謎の声に従い、言う通りにするほかなかった。
「ふんっっっ………っ」
石で出来た棺に蓋は思っていたよりも重かった。渾身の力を込めて前へ押すと、ゆっくりと動き始めそして開いた隙間から黒い靄のようなものが立ち上り始め
「っえ? なにっ」
黒い靄はルシアを包み込み始めた。
「みんなっ助け——」
扉と押し合いっこする仲間たちに助けを求め手を伸ばすがその声は黒い靄に吸い込まれ届かない。口からルシアの体内へ侵入した黒い靄は、意思と自由を奪い
—そして黒い靄が晴れた
「遂に手に入れた 肉体を
女神に封じられて 数億年
遂に現世に蘇った」
晴れた黒い靄の中に立っていたのはルシア、ではなく黒いローブをまとい大きな鎌を持つ
「我は—
”ディオス・デ・ラ・ムエルテ”なり」
髑髏の顔をした者だったという—。
[死神end]
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