複雑・ファジー小説

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【知恵の試練編】 ( No.180 )
日時: 2017/10/10 12:42
名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: KACJfN4D)

『殺された。あなたにはもう愛するは家族はいない』


—そんなの嘘に決まってる。さっき見えたモノがなんだったのかは分からない。
 本当の家族とか記憶を失っている私に分かるわけない。
 でも一つだけ確かなことがある。分かることがあるわ。
 リオン。そしてリア。この二人は私の大切な友人であると同時に幼い頃からずっと一緒に育ってきた大事な家族も同然の存在。
 彼らが居る限り、私は一人じゃない。家族は——いる! 六分の一の確率に賭けることにするわっ!

——[嘘]引き金を引く

リティは引き金に指をかけゆっくりと "それ"を引いた。

——パァァァァァンッ!!!

祠堂内に響き渡る一発の銃声。

「リティィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」

祠堂内に響き渡る愛する者を失った者の嘆きの叫び声。

「きゃはははははははははははははははっはははっはははははっはあっははははっ♪」

祠堂内に響き渡る謎の幼女の嬉々とした狂った笑い声。頭痛が治まりそうない。吐き気がこみ上げる。
まるでスローモーションのようにゆっくりと横に倒れ込むリティを地面に叩きつけられる前に受け止め抱きしめるリア。

「なんで…なんで…お前まで逝っちまうんだよ…。俺を独りにしないでくれよ……なぁリティ…。
 もうふざけたりしないから、目を開けてくれ……リティ」

何度も彼女の名を呼びかけ蘇生を試みるが、頭から血を流す彼女にその声は届かない。

—即死だった。

死んでしまった者に回復魔法は効かない。回復魔法は傷を癒すもの。死者を蘇らせるものではない。
もし死者を蘇らせることが出来る者がいたとすれば、それは神以外ありえないだろう。

——だが神は人の子の願いなど聞き入れない。そして叶えるなどありえない。

観測するだけだ。直接的な干渉はしない。してはいけないのだ。

その証拠に女神が誕生した神殿と言われる場所で死者が出たのだから。

神々が提示したくだらないその場の退屈しのぎで始めたゲーム如きで。





















[神々のお遊戯end]