複雑・ファジー小説
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜 ( No.40 )
- 日時: 2014/03/18 16:02
- 名前: 姫凛 (ID: jkT.oUcJ)
スキップ物語(-荒くれ者 ザンク編-)
ヨナが謎の般若の面の騎士にさらわれてから数週間後が経過した。
傷が癒えたルシアは目を覚ましたランファに向かって
「僕は…旅にでるよ。………あいつからヨナを取り戻すんだ」
と告げ立ち去ろうとしたが、不意にランファが呼び止めルシアの腕を掴み「未来を変えたい」と言いついて来ようとした。
“未来”と言った瞬間慌てふためき嘘100%ではぐらかされ詳しく聞き出せなかった。
まずは隣町で情報収集することにしたルシアとランファ。
町にはいつも通りに賑わっていて歩くだけで人気者のルシアは、いろんな人に声をかけられる。
大通りに行くとランファが通行人とぶつかってしまった。
ぶつかったのは知り合いのご老人だった。
ご老人は三日前に薬草摘みに出かけたきり帰ってこない孫娘、シレーナを心配し探し回っている最中であった。
今町では若い娘がさらわれるとゆう事件が多発しているため余計に心配なようだ。
ルシアはご老人の代わりにシレーナを南の森へ探しに行くことにした。
南の森は春の陽気な気候が特徴的な森なのに奥へ進むと霧が濃くなりまるで死の森のように様変わりしたのだ。
恐怖を押し殺し進んでいると、広い空間に出て真ん中に不気味に微笑む石でできた人形が出迎えた。
人形は北西の方角を指さしていた。
ルシアは不思議には思っていたが怖がるランファのため極力人形を見ないように逆方向に進むがどうしても北西を指さした人形へとたどり着いてしまう。
さすがに変だと感じたルシアはランファの反対を押し切り人形が差す方角へと進む。
…すると先ほどとはまた別の方角へ指さす人形が現れたのだ。
人形が誰かの作った道しるべだと気づいたルシアは、人形の指さす方向へと進んで行く。
…と、そこにはたしかに地獄があった。
紅い瞳の男が無残にも娘たちを斬り殺しその光景を見て怯える娘たちの事をあざ笑っていたのだ。
非人道的な男はルシア達がいることに気が付くと、ランファととんちんかんなやり取りをした後、高笑いしながらあの石でできた不気味な人形たちを召喚した。
最初はルシアもまともに戦っていた。
…が実はあの人形たちはさらわれたフュムノスの娘たちのなれの果ての姿だと知り戦えなくなってしまう。
それを高みの見物であざ笑っていた男の横にあのヨナを連れ去った般若の面の騎士が現れたのだ。
ルシアは無慈悲な行いをする奴らへの恨み怒りを、すべて般若の面の騎士にぶつけた。
…がやはりまだまだ歯が立たず騎士の放った波動弾に軽く吹き飛ばされ森の奥地へと転げて行った。
男はルシアに向かって「次会う時にまではもう少し殺しがいがあるくれーになっとけギャハハハッ!」と言い残すと騎士と共に何処かへ消え去った。
解放されたフュムノスの娘たちはルシアに感謝感激し、一件落着したのであった。
……まだこの時は誰も知らなかった、ご老人の孫娘、シレーナの体をとある病魔が蝕みはじめていることを——