複雑・ファジー小説
- Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.10 )
- 日時: 2014/03/23 20:17
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: 7lLc0QEy)
世界を蝕む『竜種』。その竜種から抽出した抗体組織『竜種細胞』。
その細胞を元に製造、構築された生体兵器『ドラグーン』。
唯一無二、竜種に対して対抗する事が出来る究極の武器にして鎧、最強の兵器。
まさに毒を以て毒を制す。目には目を、歯には歯を、牙には牙を、爪には爪を、竜には竜を。
しかしそのままでは機動することはできない。
搭乗者自身の肉体に竜種細胞を投与しなければ、この兵器を動かすことは出来ない。しかも、高い適合率が無ければならない。失敗すれば最悪『死』が訪れる。
運良く適合したとしても、突然の機体の拒絶反応、暴走、搭乗者の発狂、などが常に付き纏い、上げればキリがない。更に定期的に竜種細胞を摂取しなければならない。一度取り入れた細胞は長期経過すると劣化反応を起こし体内を侵食、グロテスクな肉の化け物と化してしまう。
それは理性の無い怪物であり、竜種と(竜種に理性が在るかどうか別として)同じモノになってしまう事を意味する。
常に死のリスクと隣り合わせだが、メリットもある。身体能力の極端な向上、自己治癒能力の倍増、免疫機能の強化、そして年齢による劣化を抑えて緩やかにする不老効果。個人差はあるが中には数十年、外見が十代のままだという現役のパイロットもいるらしい。
メディカルコンソールマシンのベットの上で、黒髪の少女セツナ・アオイは定期健診及び、竜種細胞の定期的投与を受けていた。
紫色の液体が詰まった注射器のアームがセツナの腕に液体を注射する。この液体に竜種細胞が含まれており、ドラグーンと搭乗者のシンクロ率を高めるのだ。そして同時にパイロット自身の命も守る。
投与を終えたセツナがメディカルルームを退出し、自室に向かおうとすると、それを待っていたかのように明るい可愛らしい声が聞こえ、セツナの腕を掴む。
「セツナっち!検査終わった?だったら一緒に御飯を食べに行こうよ!!」
ピンクのツインテールの少女、マリアがニッコリと腕を掴み立っていた。その後ろにブロンドロングの少女、エリーゼルが腕を組み、気難しそうにこちらを見ていた。